NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の紀行テーマ曲を担当している、バイオリニスト川井郁子(52)が、ミュージックビデオで戦国時代の宿命に露と消えた細川ガラシャ(玉)を演じている。

このほど行われた収録で、雅楽の笙(しょう)、しの笛、琴、太鼓の楽隊を従え、戦国時代の小袖姿で愛器ストラディバリウスで自身が作曲した「哀しみのグラツィア」を演奏している。

夫の細川忠興役は花柳寿楽(53)。若き日のガラシャを川井の娘の花音(かのん)さん(14)、同じく忠興を子孫である細川護熙元首相の孫の三井高聡(たかあき)さん(14)が演じた。高聡さんは、細川元首相の長女智子さんの息子。

「麒麟-」の主人公でもある明智光秀の娘のガラシャは、熊本藩の開祖となった忠興のもとに嫁いだ。忠興が東軍にくみした関ケ原の合戦に際して、西軍の人質になることを拒んで自刃した。キリシタンでもあったガラシャの悲劇は、ヨーロッパにも伝わり、18世紀にはフランス革命で処刑された王妃マリー・アントワネットの前でも演じられた。

雅楽の演奏をバックに、1億円超と言われる愛器を奏でた川井は「とても楽しかった。演じることは、演奏するのとは、また違った喜びがありますね」と振り返った。初々しい花音さんと三井さんのカップルには「初めての映像作品ですが、臆することなく演じていましたね」と合格点をつけた。

ミュージックビデオは「哀しみのー」「夕顔~源氏物語より~」など全7曲を収録。来年発表される。