宝塚歌劇団の雪組トップ望海風斗、相手娘役真彩希帆のサヨナラ公演「『fff-フォルティッシッシモ-』~歓喜に歌え!~」「シルクロード~盗賊と宝石~」が1日、兵庫・宝塚大劇場の正月公演として幕を開けた。

望海は、コロナ禍に揺れ半年延期になった退団公演の“完走”と、今春に入団19年目に入る「男役道」の追求を掲げる。その根幹には、仲間へ、スタッフへ、そして何よりもファンへの「感謝」がある。

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-昨年の自粛期間は、宝塚歌劇も戦後初の長期休止となった。その中で自身と向き合う時間が増えた

望海 周りの人に助けられてきたな-と。(トップ就任から)仲間の存在がエネルギー源のひとつになっていた。でも、実は、(劇団に)入ってからずっと、皆に支えられてきたんだな-と。それをどうお返ししたらいいのか。(答えは)難しかったですね。

-後輩への伝言は

望海 苦しいこともたくさんありますが、やる側が楽しまなきゃいけない。走り続け、結果こうなったよ-と伝えられたら。

-偶然の2年連続正月公演が、サヨナラ公演に

望海 何かしら正月公演、させていただいてます。東京(宝塚劇場)か(宝塚)大劇場かで(笑い)。すごく幸せです。ファンの方になかなかお会いできないので、早く皆さまに元気な姿をお届けしたかった。ファンの方々にも『ひと区切り』を、いい気持ちでやりきってもらえるように、私自身も探していきたい。

-少女時代から憧れ続けた宝塚とはどんな場所か

望海 「夢の場所」であり「強い場所」。今こういう時代になって、より一層感じます。それぞれの強い思いがあって、成り立っている場所。作る側も私たちも、お客様もいて成り立つ場所。みんなのいろんな思いが集結している。自分自身が強くいないといけないと、教えてもらいました。

-トップの重みも、就いて初めて体感した

望海 今までのトップスターさん、すべての方々を尊敬します。初日に感じました。それぐらい集中力と気力がいる。でもやりがいも感じました。何より、1人じゃ立てない場所でした。応援してくださっている方も、ずっと信じてくださったから、そこに行けたんだろうなと思います。

-退団カウントダウンが始まって、思うことは

望海 今は(直接)お会いできないけれど、舞台が私たちが一番輝く場所。今までで一番輝けるように努力して、そういう姿をお見せしたい。最後の最後まで-退団するその日まで-。その気持ちを持ち続けます。それが今できる恩返しになると思っています。

退団公演は、宝塚で2月8日まで。東京宝塚劇場は2月26日~4月11日。望海、真彩は2人は東京千秋楽をもって退団する。【村上久美子】