1月に開幕した日本発プロダンスリーグ「D.LEAGUE」のRound.6(第6戦)が3月22日に行われ、全12戦の折り返しを迎えた。

2週間に1戦のペースでレギュラーシーズンが展開されており、9チーム中、上位4チームが進出できるチャンピオンシップに向けて、熱い戦いが繰り広げられている。

中学校で「ダンス」が必修化され、TikTokなどSNSでも誰もが気軽にダンスを親しむ時代となり、国内のダンス経験者も約2000万人と言われる中、世界でもほとんど例を見ない「プロリーグ」が誕生した。9チームの個性もそれぞれで、24年のパリオリンピック(五輪)から正式種目となった「ブレイキン」のチームや、女性のみのチーム、Dリーガーも得意とするジャンルはヒップホップやクランプ、ロックなど幅広い。

ジャンルが幅広いがゆえに、発足当初から課題の1つとして挙がっていたのは「審査」の難しさ。フィギュアスケートや体操競技のように、ある技を決めれば何点…といった明確な基準が設定できないのだ。

まず第6戦までの審査方法を説明すると、審査は毎回固定されたダンスジャッジ2人と、ゲスト審査員2人の4人で構成され、各20点満点で採点。さらに、オーディエンスポイントとして、Dリーグ公式アプリの有料会員による投票をポイント化(20点満点)した点数の合計100点満点で採点される。

ダンスジャッジは、各チームのショーについて(1)スキル(リズム感、難易度など)(2)クリエーション(各チーム&ダンサー独自の技など)(3)コレオグラフ(振り付け、構成、演出など)(4)ファッション(5)完成度の5項目について採点。ゲスト審査員は(1)エナジー(2)クリエーション(3)表現力(4)ファッション(5)完成度の5項目をそれぞれ採点するという仕組みだ。

各ROUNDで1チームがパフォーマンスするのは約2分。あるジャンルでは難易度が高い技を次々と繰り出すだけでは点数は伸びにくく、かといって演出面に凝りすぎても点数が伸びるわけでもない。2週間という短い間隔で1つのショーを0から作り上げるのだけでも大変な作業だが、さまざまなバランスも鑑みつつ、独自の色も出していく…。試行錯誤しながらROUNDごとに臨んでいることが、見ていると伝わってくる。

これまで、あらゆるダンスの大会が世界中で行われてきたが、統一された採点ルールはなかった。Dリーグ神田勘太朗COOは、昨年10月に、一般社団法人日本国際ダンス連盟「FIDA JAPAN」を立ち上げる中で、ダンスの採点ルールの認可も進めていきたい意向も明かすなど、発足から課題として掲げて取り組んできている。

そんな中、第7戦からは審査員がこれまでの4人から8人に増員されることが発表された。得点も0・5点刻みに変更されるため、より各チームの精度が求められたり、接戦が多くなることが期待される。

初めての試みに、修正はつきもの。リーグも試行錯誤しながら、臨機応変にルールも変更し、ブラッシュアップを続ける姿勢には好感が持てる。

Dリーガーの個性もさまざまで、リーグ戦ならではの各チームのストーリーも見えてきた。単純にパフォーマンスを見るだけでも、スポーツとしてもエンターテインメントとしても楽しめる。これから後半戦に突入するが、リーグとしてはまだスタートしたばかり。歴史の目撃者になるには、まだ間に合う。【大友陽平】