上方落語協会は8日、緊急事態宣言の延長に伴う大阪府の要請をふまえて、11日までとしていた天満天神繁昌亭(大阪市北区)の休館期間を31日まで延長すると発表した。

繁昌亭は緊急事態宣言が発令された4月25日から5月11日まで休館とし、期間中の同劇場全公演を中止し、無観客配信も行わないとしていた。

同協会の笑福亭仁智会長(68)は「今回、演芸場へは『無観客開催の要請』となっております。『目の前の生のお客さんの反応を見ながら、ネタや言い回し、間を変えて噺を進め、それにまたお客さんが反応する』、そんな時間を共有するのが、落語という芸です。ですから無観客開催は到底考えられません。やむなく繁昌亭は、公演中止、休館を決定いたしました」と説明。

「一方で、事実上の『休業要請』でありながら、その前提として、エンターテインメントに対しての支援や補償の話が聞こえてこないのが誠に残念でなりません。また、上記の理由と繁昌亭ブランドを維持する矜持(きょうじ)として、お客様を入れての配信はありますが、今回『無観客配信』は致しません。現在の『医療崩壊』という府の切迫した状況を重く受け止め、休館延長という形で感染拡大防止に協力したいと思います」とコメントを寄せた。