フリーアナウンサー古舘伊知郎(66)が、16日に単行本「MC論」(ワニブックス)を出版した。
テレビの司会として1960年代から活躍した故大橋巨泉氏をはじめ、タモリ、たけし、さんまのビッグ3、とんねるず、ダウンタウン、中居正広、みのもんた、関口宏、小倉智昭、黒柳徹子、安住紳一郎、羽鳥慎一、村上信五などを取り上げ、その手法、影響力などを分析した“交友録”でもある。古舘にコロナ禍における東京五輪、パラリンピック開催について聞いてみた。
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コロナ禍が続く中で、8日に東京五輪が終わって、24日にパラリンピックが開幕します。いろいろな意見がありますけど、僕は新型コロナウイルス、コビッド19は従来の株から変異株に変わって行っていると思います。季節要因が大きい。冬は感染して広がるんです。感染すれば集団免疫ができるんだって言う(ブラジルの)ボルソナロ大統領みたいな人もいますが、僕は、落ち着いて普通の風邪の様になるまでには時間がかかると思っています。
緊急事態宣言下で、何で飲食業だけいじめるんだという声もあります。飲食業よりも、家庭内感染と集団施設の介護施設とかね、そういうところの感染が多いじゃないかという声もあります。コロナを、どこから持ち込んで来るのかっていったら、そりゃいろいろです。けれども、僕は飲食だけを血祭りにあげることにも、いまだに大反対です。五輪、パラリンピックも、とにかくやらざるを得ないんだったら、無観客でやるしかないっていう派です。それだけです。
感染者数も、先月29日に初めて1万人超えというデータが出てきてしまった。昨年から散々言われてきて、1年半で東京都も重症病床を増やしましたけど、医療のインフラを整えるとこに予算積んでいない。もっと早めに経済を回すんだったら、徹底的にPCR検査、これも反論がいっぱいあるのはよく存じておりますけど。
ゲノム検査の国立感染研究所と保健所なんていうのは、みんな厚労省の医系技官の天下り。これは、これでいいですよ。そうやって医療衛生行政がなされてきたわけだから。だけど“感染症村”の既得権を残しながらやるから、感染源に行き着くのは1割そこそこですよね。変異株のデルタ株でした、とか。
だからその前の段階で、地方の衛生研究所でもやるようになってますけど、保健所ルートでやらないと。完璧じゃないわけですよ。そこで、もっと公費を使ってやれば「はい、変異株です」と分かる。PCRやって、すぐゲノム検査。「これは悪いけど、とても病院に入れないからホテル、あるいは自宅療養。その場合、こういうことをやります」っていう隔離政策を。前から言われていることですけど隔離政策をもっととれたら、感染していない人で経済回せるじゃないですか。
そういうことを、やってこなかったわけです。やっぱり新既得権と旧既得権の戦いだと思うんですよ。民間を利用していないんですよ、そのゲノム検査に。ものすごく安く、簡易にできるわけで。それを十全には使っていない。だからそういうところに僕は怒りを覚えるし、おかしなことだなって思いますけど。
五輪もパラリンピックも、やらざるを得ないなら無観客しかない。それが僕の正直なところです。(終わり)
◆古舘伊知郎(ふるたち・いちろう)1954年(昭29)12月7日、東京都生まれ。立大卒業後の77年にテレビ朝日入社。同8月からプロレス中継を担当。84年6月退社、フリーとなり「古舘プロジェクト」設立。85~90年フジテレビ系「夜のヒットスタジオDELUXE、SUPER」司会。09~94年フジテレビ系「F1グランプリ実況中継」。94~96年NHK「紅白歌合戦」司会。94~05年日本テレビ系「おしゃれカンケイ」司会。04~16年「報道ステーション」キャスター。現在、NHK「日本人のおなまえ」(木曜午後7時57分)司会など。YouTube「古舘Ch」。14日の徳用・渋谷区文化総合センター大和田古さくらホールから初の全国ツアー「古舘伊知郎トーキングブルース2021」がスタート。血液型AB。



