乃木坂46が21日、マリンメッセ福岡で、全国ツアーの福岡初日公演を開催した。この日が結成10周年記念日で、アンコールでは10周年にちなんだ演出やパフォーマンスを披露するメモリアル公演となった。1期生7人を中心に、涙と笑顔でバースデーを祝った。

遠藤さくらが「福岡の皆さ~ん、今日は1日、楽しみましょう! 盛り上がって、行くぞ~!」と叫んで、「スカイダイビング」から開幕した。続く「ロマンスのスタート」では山下美月が「福岡の皆さん、そして配信をご覧の皆さん、乃木坂10周年、一緒にお祝いしてくれますか~? 今日は最高の1日にしましょうね~!」と呼び掛けた。

序盤のMCでは、10周年のバースデーケーキが登場した。ミュージカルでも活躍する生田絵梨花が「やっぱりバースデーソング歌いたくなっちゃいますよね。独唱させていただきたいと思います」と言って、ソロ歌唱。万雷の拍手を浴びて、何度もお辞儀した。「本日は、私のソロコンサートにお越しくださって…」とおどけると、キャプテン秋元真夏から「ここ、帝劇(帝国劇場)じゃないから!」とツッコまれ、笑いを誘っていた。

終盤の「ジコチューで行こう!」では、センターの齋藤飛鳥が「ヘイヘイ、福岡~! 油断していたんじゃないですか~? 乃木坂10周年、そんなもんでいいんですか!? もっとアガっているところ、見せてくれ~!」とあおった。続く本編ラストの「ごめんねFingers crossed」の前には、遠藤がスピーチ。謙虚な思いを伝えた上で、「今日は乃木坂46の結成日です。先輩方が築き上げてきてくださった乃木坂46が大好きです。私も早く、力になれるように追いつきたいです」と声を振り絞り、鬼気迫るパフォーマンスで魅了した。

アンコールでは、乃木坂46の歴史を振り返る映像が流れた。まず1期生7人が登場し、デビュー曲「ぐるぐるカーテン」をパフォーマンス。NHK紅白歌合戦初出場時にも歌った名曲「君の名は希望」、レコード大賞に輝いた「インフルエンサー」「シンクロニシティ」と続けた。

さらに、10周年記念楽曲の新曲「他人のそら似」をサプライズで初披露した。イントロは「ぐるぐるカーテン」の両手を挙げるダンスにはじまり、ラストは「ごめんねFingers crossed」のポーズで締めた。これまでリリースした27枚のシングル表題曲の振り付けを発売順に次々と盛り込んだダンス。歌唱後は大きな拍手を浴びた。

アンコールのMCで、与田祐希は「3期生はちょうど5周年なので、10周年の半分くらい一緒に過ごさせていただいてきて」と切り出し、「最初からもう乃木坂はすごい大きなグループになっていて、キラキラしていて、そんなステージに私たちははじめから立たせていただいていて、ありがたい環境で過ごさせてもらっていて」と感謝した。

その上で「私たち、このままでいいのかなとか不安とか葛藤もすごいたくさんあったんですけど、このグループに出会えて本当によかったな、ってあらためて思えたツアーでした」と振り返り、「私たちはこれから、先輩方から受け取ったバトンをどんどんつないで、20周年、30周年とどんどん輝き続けるグループにしたいなって思うので、これからもよろしくお願いします」と伝え、拍手を浴びた。秋元から「まだまだ先まで一緒に頑張ろうね!」と言われ、「頑張ります。よろしくお願いします!」と笑顔で返事していた。

齋藤飛鳥は「最近になって、プライベートで乃木坂の曲を聴こうかな、みたいに思うようになったんですよ」と明かし、秋元から「飛鳥ちゃんにしては珍しいんじゃない?」と驚かれた。「今日も昔の映像とか流れていて、ちゃんと積み重ねてきているんだな私たち、ってあらためて思ったし、やっぱりいい歌多いなって思う」とうなずいた。その上で「だからこれからも、秋元(康)先生がいい歌詞を書いてほしいなって思う。秋元さんがいい詞をいっぱいプレゼントしてくれたらうれしいな、って」と笑顔でアピールしていた。

ラストは「きっかけ」をパフォーマンスした。1期生、2期生、3期生、4期生が順番にメインステージから花道に進んでいった。1期生7人はサブステージに到着し、横一列になって歌い、踊った。パフォーマンスを終えると、それぞれ身を寄せ合って、涙目で笑った。

再び全員でメインステージに戻り、秋元が「この大きな節目に、このような状況で、ライブを開催することすらできるか分からなかった状況なんですけど、こうやって会場の皆さんと、配信をご覧の皆さんと、こういう風にいっぱい笑顔になって1日すごすことができて幸せでした。本当に本当にありがとうございました」とあいさつした。

客席のファンが一斉に「10周年おめでとう」と書かれた紙を掲げると、メンバーたちは「ええ~!?」「すご~い!」と叫び、涙を流した。観客からのサプライズを受け、秋元は「ありがとうございます。すごいね、びっくりだね。本当にうれしいです。皆さんありがとうございます!」と大泣きしながら感謝した。「これから先も、私たちは皆さんを笑顔にできるような存在で居続けますので、応援よろしくお願いします!」と伝え、全員で頭を下げた。