女優広瀬アリス(26)と竹下景子(68)、ゆるキャラのふなっしーが15日、都内で審査員を務める「WFP(世界食糧計画)チャリティーエッセーコンテスト2021」の表彰式に出席した。

「こころのワクチン、私のごはん」をテーマに、長引く自粛生活の新しい日常で気付かされた、大切なことについて募集した。応募総数は2万3075通で、応募1作品につき、途上国の給食3日分にあたる90円が協力企業の昭和産業、日清食品ホールディングス、三菱商事から寄付された。今回は207万6750円の寄付で、約6万9200人の子供たちに給食を届けることができる。

特別審査員を務めた広瀬は、思い出に残っている「食」について聞かれて、2回見たことがある食肉処理について話した。「生きているところからさばいて、命をいただくことに考えさせられました。それは、私の人生の糧になって、食を大切にしようと思うようになりました」と振り返った。

国連WFP親善大使として、世界各国の視察経験のある竹下は「ルワンダに行った時に、そこの学校給食で育った子供たちの話を聴きました。ルワンダの子供たちは給食があるということで小学校や勉強が好きになり、友達ができて将来に希望が持てている。給食の大切さを実感しました。私自身は(牛乳の代わりに給食で出される)脱脂粉乳で育った世代で、決しておいしくはなかったけど、あれは大切だったんだなと思っています」と話した。

ふなっしーは小学生部門の審査員特別賞に、奈良県生駒市立生駒北小5年の宮崎響さんが半年以上入院して、許しを得て両親と泣きながら焼き肉を食べた「パパとママの涙」を選んだ。「子供たちの飾らない言葉が大好き。好きなものを大好き~っていうのが、とてもすてき。入院していて焼き肉が食べたいと、お父さんとお母さんと泣きながら焼き肉を食べた。素晴らしい」と絶賛した。

自身の思い出の食については「幼い“幼梨”の頃、父なる梨の木がバーベキューをやってくれて、そこで食べた肉が夢に出てくる」と話した。

審査委員長の音楽評論家・湯川れい子氏は「人間だけでなく全ての生き物は、その体は食べることによって成り立っている。ほとんどの紛争は食料がないことから始まっている。今後私たちが、どう生きていったら幸せな未来があるんだろうかと考えさせられました」と話した。

受賞作は以下の通り。

▼WFP賞(最優秀作品)「思い出のサンドイッチ」(千葉県・加藤博子)

▼小学生部門賞「受け継ぐ母の味」(神奈川県・カリタス小6年・吉田美■)

▼中学・高校生部門賞「魔法のオムライス」(三重県・高田高1年・坂野日音)

▼18歳以上部門賞「小学一年生の新常識」(千葉県・岩村侑紗)

▼審査員特別賞小学生部門「パパとママの涙」(奈良県・生駒北小5年・宮崎響)

▼査員特別賞中学・高校生部門「笑顔の向こう側に」(静岡県・浜松聖星高1年・松下チャミリ)

▼審査員特別賞18歳以上部門「給食がある風景」(東京都・丹羽直子)

※■は緒の日の右上に「、」