大正から令和まで、4時代を生きた作家で僧侶の瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)さんが9日、心不全のため、京都市内の病院で死去した。99歳。06年に文化勲章を受章した。

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黒柳徹子(88) みんなの味方が、亡くなった。こんなことまで書いちゃうんだ! という小説家が、尼さんになった。尼さんになっても『書いちゃおうかな』と言って書いていらした。百歳近くまで尼さんで、説法しながら恋愛小説を書く。日本は面白い国だと思う。でも、もうお会い出来ないと思うと悲しい。

南果歩(57) 異国の地で寂聴先生の訃報に触れ、私の心は京都寂庵に有ります。幾度、寂庵に先生を訪ねたことでしょう。私の不幸話を笑い飛ばし「あなた、これからが人生楽しいんだから、たくさん恋をしなさいよ!」と、いつも励ましてくださいました。先生の法話と笑顔に救われたのは私だけではありません。

加藤登紀子(77) 私がデビューした1960年代はバリバリの作家として自由な女性の生き方を表現、出家の道を選ばれてからも果敢にどこまでも世界を歩き、苦しんでいる人に向き合ってこられた寂聴さん。太陽のように力強く、私たちの前を歩いて下さって、本当にありがとうございました。