歌手近藤真彦(57)とギタリスト野村義男(57)の全国ツアー「MasahikoとYoshio Live Tour 2021-2022」の最終公演初日が2日、東京・豊洲PITで開かれた。近藤は「アンダルシアに憧れて」「夕焼けの歌」などを野村のアコースティックギター1本で熱唱。87年のレコード大賞受賞曲「愚か者」は、野村の特訓を受けたギターの弾き語りで歌い上げた。野村もTHE GOOD BYE時代のデビュー曲「気まぐれ ONE WAY BOY」を熱唱、2人合わせて全21曲を披露した。

開演前に2人で会見した。近藤は「昨年の11月に東京・中野サンプラザでコンサートをやって、12月の横浜から全国ツアーに出た。幸運にも新型コロナウイルスの緊急事態宣言を縫って、ここまで来られた。スタッフに感謝、出演者に感謝、ファンに感謝、感謝のツアーでした。いよいよ今日と明日の2日間で最後になります」と、昨年12月の横浜公演から全国7都市14回に及んだ3カ月間を振り返った。

近藤は20年11月に不倫騒動で芸能活動を自粛、昨年4月末でジャニーズ事務所を退所した。昨年11月に中野サンプラザで「Re START」と題したコンサートを開催して音楽活動を再開。野村も会場に駆けつけた。

近藤は「全国ツアーが久しぶりだったんで、一人ではと思って、ツアーに出る前に気軽に『義男さん、一緒に旅に出てくれない』とお願いした。僕よりも忙しかったんだけど、僕よりも盛り上げてくれた。楽しかった」。

近藤が監督として率いるレーシングチーム「KONDO RACING」のマシンをバックにした会見に野村は「こんなに近くで見るの初めて。かっこいいね。でも、乗り込んだら、はまって出られなくなっちゃうかも」と笑った。ツアーについては「メチャクチャ楽しいですよ。コロナになる前から、マッチ君とはコンサートをやっていた。楽しく旅を回れました」と話した。

2人は1979年にTBS系の連続ドラマ「3年B組金八先生」で芸能界デビュー。田原俊彦(61)を加えたジャニーズ事務所所属の「たのきんトリオ」として爆発的なアイドル人気を誇った。野村は90年にジャニーズ事務所を退所、ギタリストとして小泉今日子、浜崎あゆみのバックを務めるなどして活躍してきた。

近藤は「ツアー全体、音に関してはヨッちゃんにお任せ。野村マジックでバンドのメンバーが『俺がリーダーだ』という意識でやってくれた」と感謝の言葉を口にした。58歳の誕生日を迎える7月19日から3日連続で、大阪、東京、名古屋で「バースデイ・バッシュ」と題したライブを開催することも発表。野村はスペシャルギタリストとして出演する。

近藤は「ヨッちゃんとは同い年。『金八先生』も、高校も同級生。ジュニア時代から一緒で合宿所、そして今の楽屋も一緒にしている。これからも音楽活動をやる上で、ヨッちゃんにはずっと手伝ってもらおうと思う。もう45年くらい一緒にいるんだから」。

そして6月4日には「葉加瀬太郎 音楽祭2022」に出演することも発表。「ちょっとピリッとした感じのライブをやらせてもらう」と話した。

今回のツアーはライブハウスが主体。近藤は「お酒を飲んでというイメージだったけど、ここ(豊洲PIT)と同じで1500人くらい入る会場ばかりだから」と特別なことはないと話した。野村は「お客さんが近くて、すごくフランクな感じで進行できる。お客さんが楽しんでるのが間近に見られる」。近藤は「お客さんの年齢層も僕らに近いから、最初からガーッといくのではなく、話ながらやって来た。40年以上やってきて、何があっても支えてくれるのはファン。日本中を回って励まされました」と話した。

ツアーを行って、歌に向き合う時間が増えたことに、近藤は「心境の変化というより、環境がちょっと変わりました。レース活動をしながらライブを出来る環境になった。1つの会社でやってるので、レスポンスがよくなった。レースの翌日にライブを入れられる。僕にとってはよかった」。

お互いの存在を、野村は「特に発見はないです。ずっと付き合ってきて、僕が思う近藤真彦像がある。ずっと彼のことが好きで、付き合っている。マッチ君に何があっても付き合っている。ずっと、楽屋も一緒だからね」。

近藤は「40何年もいて、1回もけんかしたことがない。改めて、距離感がいいのだと思う。同級生であり、兄貴であり、時には弟であり、家族以外では、なくてはならない存在」と話した。   【小谷野俊哉】