EXILE黒木啓司(42)が10日、10月末を持って芸能界を引退することを、公式ホームページで発表した。これまでメンバーの卒業などはあったが、芸能界引退はEXILEでは初めてとなる。

黒木は、19歳でダンスを始めた。当時、EXILEの前身のJ Soul Brothersが地元宮崎のシーガイアで踊っていたのを見て「衝撃を受けた」という。その後EXILEが結成され、東京のクラブでMAKIDAIらが踊っている姿を遠めからでも眺めていたというほど、憧れていた。02年に上京し、04年にミュージカル「HEART of GOLD」のバックダンサーとして出演したことからLDHと縁がつながり、07年にJ Soul Brothers(二代目)の一員となって、09年にEXILEメンバーになった。

パフォーマーとして、特に最近ではEXILE THE SECONDでも、大人の色気漂うパフォーマンスで、ファンを魅了してきた。コロナ禍でライブがなかなか開催できなかった20年に行った配信ライブ(LIVE ONLINE)の際に話を聞いた時も、SECONDとしてのエンターテインメントに「クオリティーも高く保てるようになったのは自信になっています。まだまだ『オッサンたちも負けてないぞ!』というものを作ることができた。真摯(しんし)にエンターテインメントと向き合ってきたからこそかなと思いますし、とにかく『負けねえ!』という馬力ですね!」と話していたことが印象的で、パフォーマンスへの強いこだわりも感じた。

それでもアスリートのように、パフォーマンスに心血注いできた者にとって、年齢、体力との戦いがやってくるのも必然だ。日ごろのトレーニングをはじめ、2~3時間におよぶライブパフォーマンスを行う中で、自身でしか分からない感覚もあるだろう。

今回の引退発表で、黒木は「常に自身のベストをファンの皆様に届けることに命をかけてきましたが、最近では年齢や体力の限界を感じるようになっていました」という。さらに、グループ活動を卒業するだけでなく、引退を決意したのも「芸能人である前に僕はEXILEのパフォーマー。パフォーマーを引退するなら全てのステージから降りることがケジメだと感じました」といさぎよさも感じさせた。

まだまだこれから、大人の色気をさらにいかしたパフォーマンスを期待していた。それでも、7月6日の福岡ペイペイドームから始まる、グループとしては2年4カ月ぶりの全国ドームツアー「POWER OF WISH」(5都市16公演)のステージが残されている。ATSUSHIのゲスト出演も決まっており、黒木のラストパフォーマンスを含めて、”今のEXILE”を目に焼き付ける機会が、ますます見逃せなくなった。

【LDH担当・大友陽平】