古川登志夫が11日、東京・新宿バルト9で行われたアニメ映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」(児玉徹郎監督)初日舞台あいさつに登壇。自身が演じたピッコロと、野沢雅子が演じた孫悟空の息子でピッコロの弟子・孫悟飯が映画のメインキャラクターとして描かれたことへの喜びと感慨を口にした。

今作は、全世界興行収入135億円を記録した18年の前作「ドラゴンボール超 ブロリー」から4年を経て公開された最新作。かつて、孫悟空により壊滅した悪の組織レッドリボン軍の意志を継いだ者たちが、新たに最強の人造人間ガンマ1、2号を生みだした。そのガンマ1、2号が、自らを「スーパーヒーロー」と名乗り、ピッコロ、悟飯らを襲い始める物語。

まず、舞台あいさつの冒頭で、野沢が「おっす、おら悟空…よろしくお願いします。悟飯です」と、孫悟空、悟飯父子のセリフであいさつすると、古川も「待たせたな…魔貫光殺砲!!」と、ピッコロのせりふで続いた。その上で、野沢が「いつもは悟空が主で暴れまくっていたんですけど、今回は悟飯君が主で動くので、温かい、とても良い作品。悟飯君は常に、お父さんについている脇役。今回も、そうだろうと思って台本を読むと、ごはんが主。大好きなピッコロさんがご一緒…師匠ですからね」と作品の概要を語った。

続いて、古川は漫画家の鳥山明氏の原作と、アニメを踏まえ、昔話を語った。

「昔、ピッコロが幼い悟飯に厳しい訓練をした。スタジオで、マコさんと八奈見乗児さんから『古川、小さい子ども相手に、本気で戦っているんじゃない、バカ』と怒られてばかりだった」

と「ドラゴンボール」でナレーションなどを務め、21年12月に90歳で亡くなった。先輩の声優八奈見乗児さんから叱られた思い出話を明かした。

古川は、その上で「その時から数十年後に、師弟関係の2人がメインとなった映画が作られたと夢にも思わなかった。本当にうれしくて自分が(悟飯とピッコロのように)舞空術で飛んでる気分」とピッコロが主に描かれた物語への喜びを語った。そして「うちに帰って『今日、赤飯だな』とかみさんに言ったら『ピッコロはご飯を食べないから水で、どう?』と言って…ちゃんと赤飯、炊いてくれました」と、妻が赤飯で祝福してくれたと明かした。