歌舞伎俳優中村勘九郎(40)と七之助(39)が22日、東京・浅草寺伝法院で、10、11月に開催される「平成中村座公演」の制作発表記者会見を行い、2人と縁深い脚本演出を務める宮藤官九郎氏について言及した。

「平成中村座」は、勘三郎さんが「江戸時代の芝居小屋を現代に復活させ、多くの方々に歌舞伎を楽しんでもらいたい」という思いで立ち上げた座組。今回は、勘九郎が主演を務めた19年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」でタッグを組んだ宮藤氏が脚本、演出を行う。古典落語をもとにした新作歌舞伎「唐茄子屋~不思議国之若旦那~(とうなすや ふしぎのくにのわかだんな)」に「不思議の国のアリス」の要素をちりばめた人情喜劇が展開される。

勘九郎は、「歌舞伎で、新作で書いてくれるのは、『大江戸りびんぐでっど』以来ですのですごく楽しみです。中村座という空間を楽しんで使っていただきたいと思う。まだ発見していない中村座の魅力を宮藤さんが見つけてくれると思います。古典をやると思うんですけど、『不思議の国のアリス』がそこに入ってくるというのは、まあ楽しみですね」と期待した。

七之助も05年に宮藤氏が初映画監督を務めた「真夜中の弥次さん喜多さん」以来の付き合いだ。「最近の宮藤さん脚本の神懸かり的な面白さ、あれはすごいことだと思いますので、すごく楽しみです」と同調。宮藤氏が報道陣向けに弱気なコメントを寄せていることに触れて、「とにかく褒められたいと。個人的に『(大江戸)りびんぐでっど』大好きな作品なんですけど、賛否分かれたので。今回は賛で、全部賛でお願いします。一生懸命、賛になるように役者も務めます。賛否はいやらしいです。賛がいいらしいです」と宮藤氏を思いやって笑いを誘った。