宝塚歌劇団の月組トップ月城かなとが22日、兵庫・宝塚大劇場で、ミュージカル「グレート・ギャツビー」の初日を迎え、終演後には大羽根を背負い、あいさつ。「やっとお会いできて本当にうれしく思います」と話すと、笑顔を弾けさせた。

今公演は、16日開幕予定だったが、公演関係者から新型コロナウイルス感染者が出て、6日遅れのスタートになった。

月城は「まずは、楽しみにしてくださっていたお客さまに公演をお届けできなくなり、たいへん申し訳ありませんでした」と、開幕遅れをおわび。初日延期が発表されると「たいへんたくさんの励ましの言葉をいただいた」と感謝した。

ただ、その分「ですが! お待たせしてしまった分、月組生みな、やる気に満ち満ちています!」と全快ならぬ、全開宣言。

客席を見渡し「やっと! お会いできたことをうれしく思います。待っていただいて本当にありがとうございます」。その後「何が起こるか分からない毎日ですが、1日1日、1公演1公演を上演できる幸せを胸に、大切にし、頑張って参りたいと思います」とも約束した。

今作は、F・スコット・フィッツジェラルドによる20世紀アメリカ文学の最高峰が原作。宝塚では、91年雪組で杜けあきが主演し「華麗なるギャツビー」として世界で初めてミュージカル化。08年には月組の瀬奈じゅんで再演された。

月城は、再々演にあたり「この歴史ある作品に挑戦させていただけると思い、昨日は本当に緊張して、気がつけば朝日が昇っていました」と照れ笑い。劇中歌「朝日の昇る前に」にひっかけて「でも、すっごく、本当に(朝日が)キレイだったんです。これで絶対大丈夫と思ってました」と言い、晴れやかな表情でファンへ語りかけた。

カーテンコールも3度繰り返し、客席の熱いエネルギーには「こんなに何度も、初日から…。(ファンの期待に)真摯(しんし)に向き合って参りたい」と言い、手をふっていた。

今作では、当代きっての芝居巧者トップ月城が、3代目ギャツビーに臨み、謎の資産家にふんする。

トップ娘役の海乃美月は、ギャツビーを思いながらも資産家と結婚するデイジーを熱演。人気スター鳳月杏はデイジーの夫を、下級生時代から演技力が評価される風間柚乃はギャツビーの隣人というキーパーソンを演じている。

コロナ禍で稽古中断という試練を乗り越え、22年月組版ギャツビーが始動。初日後の指導を終えて取材に応じた演出の小池修一郎氏も「思った以上に月城のギャツビーは格好よかった」と太鼓判を押していた。

宝塚大劇場は8月22日まで、東京宝塚劇場は9月10日~10月9日まで。