中村歌昇(33)が17日、都内で、長男種太郎(6)次男秀乃介(3)とともに「秀山祭九月大歌舞伎」(9月4~27日、東京・歌舞伎座)の取材会を行った。同興行で初舞台を踏む子供たちについて歌昇は「初舞台を踏ませていただけることは本当にありがたい。兄弟一緒に仲良く育って、笑って楽しみながらやっていってほしい」と話した。

2人の子供たちは第1部「菅原伝授手習鑑(てならいかがみ) 寺子屋」に出演する。種太郎は、本名の小川綜真として舞台に立っているが、秀乃介は初めて。歌昇は「お兄ちゃんは慎重なタイプで、何事も周りを見て挑戦しています。弟は天真らんまんでお調子者でひょうきん。お兄ちゃんのことが大好き」と目を細めた。

踊りなどの稽古などをしているほか、せりふ回しや動きの稽古も始めている。歌昇は「兄弟で教え方を分けるようにしてます。秀乃介は何より舞台に出るのが楽しいと思ってもらえるように、種太郎にはちょっと厳しくしすぎかなと反省してます」と話した。

将来は何になりたいかと聞かれ、種太郎は「ニュースキャスター」と即答。歌昇は「いいと思います。僕は両親に歌舞伎を強制されることはなかった。好きでこの道を選ばなかったら苦労する」とし「可能性として(歌舞伎の)道を残してやりたい。彼らがやりたいことを第一に考えてあげたいと思う」と話した。

昨年11月に亡くなった中村吉右衛門さんの一周忌追善興行となる。歌昇は「吉右衛門のおじさまは、命をかけて臨まれるお役がたくさんありました。自分のありとあらゆるものを犠牲にして舞台に立つ背中を見て学んできたつもりです」と話し「播磨屋の芸を残す力になれるよう、播磨屋一同総力を挙げていかなければならない」と力強く語った。

歌昇は第2部「揚羽蝶繍姿(あげはちょうつづれのおもかげ)」に出演。