金子大地(25)が17日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で行われた「日活ロマンポルノ」50周年記念プロジェクトの新作映画第1弾「手」(松居大悟監督)公開記念舞台あいさつに登壇。「ロマン・ポルノで、こんなに来て下さって、うれしいです」と観客に感謝し、感無量の表情を浮かべた。

金子は劇中で、主演の福永朱梨(27)が演じる寅井さわ子が気になっている、会社の先輩・森を演じた。おじさんの写真を撮っては、コレクションするのが趣味で、付き合ってきた男性はいつも年上ばかりのさわ子と、そんなさわ子に好意を醸し出してきた森は、互いの距離が縮まっていく中、森の転職を機に、どうしようもなくひかれあっていく。一方で森は、さわ子と親密になり、男女の関係になっていく中で、次第に都合の良い、別の顔もかいま見せていく役どころだ。

金子は、この日、さいたま市内で行われた舞台「ヘンリー八世」の上映後、その足で駆けつけた。森を演じた際の思いを聞かれると「面白そうだなって思ったし、松居さんと仕事できるチャンスだなと思い、即決で、ぜひと。決まってインまで時間がなくてすぐ撮影。どうやって演じたら…というのはあったけれど、何も包み隠さず、正直、分かんないですと相談させて頂いて。リハーサルして若干、つかみかけ、心情を話し合ったから演じられた」と松居大悟監督に感謝した。

さらに、松居組について「すごく、やりやすかったですね。さわ子といる濃密な時間は、キメキメでやっちゃうと自然に見えない。そっと見守ってくれ、2人の間の空気感を大事にしてくださった。松居さんの、これまでの映画の登場人物は生き生きして、いると思わせてくれる。こういうことかと…」と絶賛。松居監督も「台本を作って、どう演じるかが難しかった。金子が一緒に悩んでくれたから唯一無二の役になった」と金子をたたえた。

この日は、映画のタイトルにちなみ、檀上で出演者の手形を取った。金子は「シュールですね。(普段、手形を取ることは)ないですね」と笑った。そして。大きな手がスタンプ台からはみ出しそうになりつつも「いきま~す!!」と、かけ声を出して、しっかり手形を取った。ただ、取った後「舞台あいさつで、することじゃないですよね。何なんだ、この時間は? って感じですね。爆笑じゃないんですよ」と舞台の下で、誰よりも爆笑している日活のスタッフに笑いながら呼びかけた。