後藤剛範(39)が21日、東京・シネマート新宿で行われた映画「大事なことほど小声でささやく」(横尾初喜監督)初日舞台あいさつに登壇。映画初主演への感慨を語った。

後藤は19年と21年にNetflixで配信されたドラマ「全裸監督」シリーズのラグビー後藤役でブレークした。観客が詰めかけた客席を見渡し「大勢の方に来ていただき胸いっぱい。いろいろなものが、あふれそうな状態。自分は下積みも長くて、舞台を続けてきた人間。脇役をやっていくんだろうと思ったので、主演というのにビックリ。監督の冒険心と、器の大きさに乗っかろうと思った」と横尾初喜監督に感謝した。

作家・森沢明夫氏の同名小説を実写映画化した作品で、スナックを営むマッチョでオカマのゴンママを演じた。役どころについて「いろいろ、シンパシーを感じたものがあった。企画書を見た時、大きく言うとやるべきと思った」とオファーを受けた当時の思いを振り返った。ただ「元々、筋トレはしているんですけど、役作りのハードルが高すぎて」とも語った。

横尾監督から「原作は2メートルでムキムキのマッチョなママ。2メートルに見えるように、とお話はした」と説明が入ると、後藤は「体を大きくするか、絞って照明を当てて…どっちがいいですか? と聞いた」と振り返った。同監督が「『(体が)大きい方がいいですか? 切れている方が良いですか?』と言われて…分からなかった」と苦笑した。

むしろ身長なら、180センチの後藤より、ある悲しみを抱えた医者・四海良一役の深水元基(42)の方が187センチと高い。それでも、横尾監督は「以前、ドラマでご一緒し、パンチがある、筋肉がすごいなと思い、原作を読んで後藤さんだと」と後藤に主演を託した。深水は「僕は2メートルもない。でも(後藤と)合わせたら原作に近かったかも知れませんね」と笑った。