東京・歌舞伎座「十二月大歌舞伎」が5日、初日を迎え、市川新之助(9)が昼の部「毛抜」で、史上最年少で粂寺弾正を演じた。

この日は、2カ月連続の「十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台」の2カ月目の初日。

粂寺弾正は愛嬌(あいきょう)とユーモアを持ち、荒事の力強さも必要な役。色っぽい場面や、毛抜きでひげを抜いたり、キセルを手にするなど、大人っぽい場面も登場する。新之助がせりふを言うたび、拍手や笑いが起こり、客席が温かい雰囲気に包まれた。

最後、花道での「どうやらこうやらこの大役、本日おいでのいずれも様のおかげにて、なんとかの相つとめましてござりまする。それではお開きといたしましょう」のせりふには、大きな拍手が寄せられた。

父團十郎はブログに「ずっと見てましたが、よくやった、と思います」と記した。