今年デビュー50周年となる清水国明(72)と原田伸郎(71)のフォークデュオ・あのねのねが22日、京都市北区の京産大で40周年以来実に10年ぶりとなるライブを行った。6月24日に同市の京都千斗町歌舞練場で50周年コンサートを予定しており「一発ではでけん」と2人で検討し、母校での“リハビリ”となった。

約500人の観客は大学OBなど関係者のみの無料ライブ。開演時に原田が“ご案内役の原田のぶこ”として「携帯電話など音の出る機器の使用は気にしないで下さい。マナーモードへの切り替えはせず、録音、録画はどんどんやってください」と場内アナウンス。73年のメジャーデビュー曲「赤とんぼの唄」を皮切りに、故河島英五さん作詞の「青春旅情」、結婚式場のCMソングだった「嫁ぐ朝に」など真面目な歌とともに「ネコ・ニャンニャンニャン」や「今度迎えに行くよ」「ネコの怨念」「悪の十字架」などのダジャレソングを連発、きつい下ネタで放送禁止の「つくばねの唄」も披露し、ゆる~いトークを交えて昭和感たっぷりに場内を沸かせた。

あのねのねは当初、京産大生だった2人を中心に71年に結成され、当初は笑福亭鶴瓶らもメンバーだったが、メジャーデビュー後はデュオに。昭和50年代はラジオ、テレビでお笑いカルチャーの一角を担い、現在は原田が芸能活動、清水はアウトドアライフを満喫するなど別々に動いている。

50周年の企画として、6月のコンサートだけでなく、全国10会場前後でのツアーを考えている。会場内での録音録画はフリーにする予定で、清水は「金もうけではないし、ギラギラもない。僕らの笑いは軽いでしょ? それで明るく元気になってくれる人がおればうれしい。もうバンバン拡散してほしい」という。

原田は「40周年の時は回りはそうでもなかったのに、今回は“50周年てすごいで。まだ歌えんの?”とえらい言われます」。昨年に「ネコ・ニャンニャンニャン」がSNSのTikTokでバズったことを知人から聞いた。「“ティクトク”も“バズる”も知らんけど、うれしかった。43年前の曲ですよ? “まだやってええんや”と背中を押された気がした」と喜ぶ。

10年ぶりのライブを終えた感想は、清水が「まだ声が出てうれしかった」。原田は「まだもうちょいリハビリがいるかな」と話していた。