ロックバンド、シーナ&ロケッツのギタリストでリーダーの鮎川誠さんが29日午前5時47分、膵臓(すいぞう)がんのため亡くなった。74歳。所属事務所が30日、発表した。

膵臓(すいぞう)がんは50~70歳、特に高齢の男性に多い。膵臓には強力な消化酵素(アミラーゼ、トリプシン、リパーゼなど)を分泌する外分泌腺と、ホルモン(インスリンなど)を分泌する内分泌腺があり、がんはこれらの膵臓細胞から発生する可能性がある。中でもこれらの分泌液が通る膵管にできるがん(膵管がん)を中心に、膵臓がんが増えている。

膵臓は、肝臓と同じように「沈黙の臓器」と呼ばれ、がんができても初期の段階ではほとんど自覚症状がないまま進行していく。進行すれば手術を行いづらい場所にあり、他の場所へ転移もしやすい膵臓がんは治療も困難となる。さらに膵臓がんは、肺がん検診、大腸がん検診、胃がん検診のような確立された検診がなく、早期発見できる機会も少ないのが現状。

近年、日本で膵臓がんは増加しており、元横綱千代の富士や、元楽天監督の星野仙一氏、iPhoneをつくったApple創設者のスティーブ・ジョブズ氏も膵臓がんを克服することはできなかった。