俳優杉野遥亮(27)が27日、自身が出演しているフジテレビ系カンテレ制作の連続ドラマ「罠の戦争」(月曜午後10時)のこの日放送の最終回第11話への意気込みや、主演の草なぎ剛(48)との共演について語った。杉野は、政策秘書から国会議員に上りつめた主人公の鷲津亨(わしづ・とおる)をサポートする秘書見習いの蛯沢眞人役を熱演している。

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草なぎとの共演は刺激的だったという。

「ありがたい経験で、ずっとぜいたくだと思っていた。何とか頑張りたいと思った。最終的にはよかった。うれしかったです、ずっと」

草なぎの演技からは学ぶところだらけだった。

「演技って分からないなって思うところがいっぱいあるけど、草なぎさんを目の前にすると、出ているエネルギーとかオーラが変わったりするから、すごく自分を引っ張ってもらった。自分もそれをまねしたいなと思った。でも自分なんて、草なぎさんが積み重ねてきたものから比べたら、まだまだってことを痛感したし。何かどうしようって正直思いました。でも幸せだった。俳優としては」

演技に悩むこともあったという。

「いろいろ落ち込んだ。本当にできないなと打ちひしがれていた。勝手に1人で落ち込みました。でもそれは草なぎさんを見たからってことだけじゃなくて、今回、ずっとなんか自分、本当にできないなとか、そういう風に感じて打ちひしがれちゃって。でもなんか草なぎさん、やっぱり温かい言葉かけてくださるし。多分そういった僕の様子をすごい繊細に見てくれてたんですよね。だからそういうところに救われてたりとか。あとやっぱり一緒にお芝居してる時になんか楽しいなって思ったり。それは自分にとってはよかったなって思います。そういう先輩と出会えたこととか」

その草なぎとは、最近も会ったという。

「この間会ったんですよ、草なぎさんと。なんか3、4回ハグしましたもんね。クランクアップで。俺ずっと探してて。そういう先輩とね、出会えることってなかなかないし。そういう共演者の方と出会うこともなかなかないので。そういった意味では本当にありがとうございます」

眞人を演じる上での悩みも明かした。

「自分を正直に言うと、考えてたりもしたし、どうやって合わせていこうかなって考えてた瞬間もあるし、まちまちだったんです。やっていく中で。自分の感情を作ることを優先させる時もあれば、草なぎさんの芝居を見ていた時だってあるし。まちまちだった。でもその時っていうのは、そこに向けてなんか作っていきたいなって自分は思っていたりもしてて。だからその日結構、結果的に個人としてはすごく悔しいなって思って帰ってたんですけど」

演技について思うところはあったが、前を向いて進む。

「ただそこで出たものが全てだと僕は思っているので。今の現状の自分こうだなってことを受け止めたりして。完パケ見て、草なぎさんの演技とか見て、自分なりにいろいろ思うことはありましたけどね。ただその時、草なぎさんと、どうこうしたとかっていうのはなくて」

眞人は、事業の資金繰りを苦にしていた兄を亡くしてしまい、復讐(ふくしゅう)に燃えていた。ドラマ終盤まで鷲津に協力する立場だったが、第10話では怪文書をばらまいた犯人になっていた。鷲津に復讐(ふくしゅう)する立場になっていた。

「すごく人間ドラマ、人の在り方が本当に表れている。10話の鶴巻(幹事長)さんの言葉って考えさせられた部分もあった。確かに、このままいったら眞人ってどうなるんだろうなって。なんか自分も10話の台本をもらった時点でなんか想像したりして。この人が進む道って、もしかしたら鷲津の後、もともと鷲津みたいになることもあるよなとか。なんかいろいろ考えていく中で」

劇中では、秘書の蛍原梨恵を演じた小野花梨(24)との共演も話題を呼んだ。

「難しかったなって思います。僕も小野さんの役も、結構自分の意思がそこにあるわけではなくて。鷲津さんのためっていうのが根底にあったので。どこまでその真相に入っていけばいいのか。(蛍原に)あとやっぱり恋愛みたいな要素もあったので。それを自分の中で消化するのが結構大変だったなっていうのは正直ありました。結構、難しかったなって思います」

最終話の意気込みと見どころを語った。

「眞人にも感情の決着がつくかなとは思いますね。なんかずっと(鷲津の妻)可南子さんってすてきだなって思ってて。あんなにできる奥さんというか、やっぱりすごく井川(遥)さんがすごい。伝わってくるお芝居されるので、なんか心って大事だなって思いましたね、シンプルに言うと。それは芝居っていう面でもそうだし、あとは人としてもなんかそういったことが伝わってくる最終回になってるんじゃないかなって。なんかすごくホロっとしたり。なんかスカッとしたりする最終回になってるんじゃないでしょうか」【高橋洋平】

◆杉野遥亮(すぎの・ようすけ)1995年(平7)9月18日、千葉県生まれ。千葉・佐倉高卒業。15年、「FINEBOYSオーディション」でグランプリを獲得し、芸能界デビュー。主演石原さとみの「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」(16年10月期日本テレビ)でドラマデビュー。「嘘の戦争」(17年1月期フジテレビ系カンテレ制作)「大恋愛~僕を忘れる君と」(18年10月期TBS)などに出演。

◆「罠の戦争」 草なぎにとっては6年ぶりの連続ドラマ主演作で、ジャニーズ事務所退所後、初の民放連続ドラマ主演となる。「銭の戦争」「嘘の戦争」に続く戦争シリーズ第3弾は、弱者による強き権力者への報復劇。今作は愛する家族を傷つけられた鷲津亨が主人公。議員秘書から代議士となり、知略を尽くして鮮やかな“罠”を仕掛け、あしき政治家を失脚させる痛快なリベンジエンターテインメント。命を懸けて20年間尽くしてきた政治家に裏切られた男が、権力を振りかざす不条理な政治家たちに壮絶な報復を行う。