元宝塚歌劇団星組トップで俳優の柚希礼音が18日、大阪市内で、主演ミュージカル「FACTORY GIRLS~私が描く物語~」の取材会を開き、コロナ禍を経験した今、舞台へかける思いを語った。

「宝塚の頃から、1公演1公演、この公演しか見られない方がいる。そう思ってきましたけど、(コロナ禍で)より以上に痛感しました。お稽古だけ(して、上演は中止)とかありましたし、幕が開いても、千秋楽まで全員で迎えることは本当に奇跡のような話ですから」

新型コロナウイルスが5類へ移行するまでの厳しい闘いを振り返った。

宝塚時代からのライフワーク公演「REON JACK」をコロナ禍で開催したこともあるが、客席ともども不安を抱えたまま。先日、コロナ禍が明けてのライブの際には「すごい拍手と歓声で涙が出るほどうれしくって、心と心がより近づいたと思います」と語った。

今作は19世紀のアメリカが舞台。柚希は、女性の権利を求めて労働運動を率いた実在のサラ・バーグリーにふんする。19年に初演され、読売演劇大賞優秀作品賞を受賞した話題作の再演となった。

3年半ぶりの上演に、柚希は「みんなで作り上げた大好きなミュージカル。再び集合できて、新たなメンバーもいるので、新しい作品をつくっているような新鮮な気持ちでお稽古しています」と言う。

宝塚時代、何度も再演を経験しており「お客さまは『よかったよ』という前提で来てくれている。ハードルが上がるのは当然」と理解もする。

今作、主人公のサラは、家族を養うべく、工場に来たものの、想像を超えた労働環境にもの申すべく、立ち上がる設定だ。

「無邪気で素直な田舎の女の子が、勇気を持って変わっていく。挫折しても何度も仲間に背を押され…という展開は、トップになってからの宝塚の自分みたいです」

仲間に感謝しつつ、トップとして組を率いた在団中へ思いをはせた。

公演は6月5日に東京国際フォーラムでスタート。福岡をへて、6月29日~7月2日に地元の大阪公演となる。会場は、クール・ジャパン・パーク大阪WWホール。「最後の大阪公演はパワー全開、元気いっぱいで。初めての劇場で、楽しみです」と話していた。