橋幸夫(80)が5日、東京・有楽町マルイ2階のコンセプトショップスで初の書画個展を開催した。「宙(そら)」をテーマに、数多くの書と絵画が展示された。

5月1日に東京・浅草公会堂でラストコンサートを行い、63年間の歌手生活にピリオドを打った。この日は60年に「潮来笠」で歌手デビューしたのと同じ日で、『文化人』としてのデビュー日となった。

「宙」のテーマに関して「日本だけでなく、世界中が殺伐としている。地球が人間に何かを示唆しているのではと感じる。人間がもっと謙虚にならなければと思う。地球は宙、それを橋風に感じていただければ」と話した。書きためたものや、歌手引退後に書いたものなどが展示された。

歌手引退を見据えて、昨年4月から京都芸術大通信教育学部書画コースに入学した。芸能界を引退したわけではないが、今後は書画活動に比重を置く。「小さな作品は別として、売るつもりで書く気はない。文化の薫りのする仕事を、私だけが書ける書画の担い手になりたい」と話した。

書画個展は今後、京都で開催する予定。その後、9月7日から橋のラストコンサートの模様を収録したフィルムコンサートツアーの会場で、書画を展示するという。橋のトークショーも組まれる。橋が所属する夢グループの石田重廣社長は「フィルムコンサートは、ラストコンサートを行った浅草公会堂からスタートします。1カ月に4カ所をメドに、全国を回ります」と話した。

9月7日までには、二代目・橋幸夫として選ばれた4人組「yH2」(幸夫・橋の頭文字と2代目の2)が夢レコードからCDデビューするという。フィルムツアーに帯同し、各会場でお披露目される予定だ。デビュー曲は「恋のメキシカン・ロック/恋をするなら」になるという。

5月1日のラストコンサート後に、お世話になった後援会の人を前に、カラオケで30曲も歌ったという。「もう発声練習はやっていませんが、やればできると思いました(笑い)。歌は楽しむものです。もちろん(プロとして)歌うことはありません」。

7月5日は二刀流で大活躍する大リーグ、エンゼルス大谷翔平の誕生日。芸能人と文化人の二刀流として、大谷の感想を問われると「すごいと思います。日本人として頼もしい。元気をもらえます」とうれしそうに話した。

書画個展は6日も同所で開催される。

   【笹森文彦】