女優山本陽子(やまもと・ようこ)さんが20日に亡くなったことが22日、分かった。81歳。関係者によると急死だったという。

清楚(せいそ)な役から悪女役まで幅広く演じ、舞台女優としても「おはん」「放浪記」「細雪」など代表作は多い。老舗のり店のCMでも知られた。

山本さんは今月2日、テレビ朝日系「徹子の部屋」(月~金曜午後1時)に出演し、元気な姿を見せたばかり。70歳で静岡・熱海市に移住したことなどを話していた。健康の大切さも語り「健康である限りいろんな役に挑戦したい」などと、意欲的に語っていた。

東京生まれの山本さんは、高校卒業後、野村証券に入社。投資相談部で勤務していたところ、日活のプロデューサーの目にとまったという異色の経歴の持ち主。第7期日活ニューフェイスとして芸能界入りし、63年に芸能界入りした。

りりしい表情や、はつらつとした声、着物姿が印象的で、意志の強い役柄がよく似合った。映画、ドラマ、舞台と多岐にわたって活躍した。94年に主演した「おはん」では菊田一夫演劇賞を受賞し、近年では剛力彩芽、檀れいらとの共演舞台もある。

老舗のり販売「山本海苔店」(東京・日本橋)のイメージモデルは67年から務めており、10年に「専属モデル契約年数世界最長」としてギネス記録に認定された。現在も店頭には山本さんの写真看板が置かれている。

私生活では、99年に亡くなった俳優沖田浩之さんとの年の差を超えたロマンスが注目された。車の運転が趣味で、日本人で初めてポルシェに乗った女性とも言われた。