AV監督の村西とおる氏(75)が16日、2022年(令4)6月に施行されたAV出演被害防止・救済法(AV新法)の見直しを求めて永田町、新宿、渋谷で街頭演説を行い、渋谷で「AV新法改正『ナイスですね!』演説イベント」を開いた。イベントには06~10年まで5年間、セクシー女優として活動し、引退した範田紗々も参加し、村西監督と佐々木咲和、綾瀬麻衣子と対談した。

AV新法は、AVの出演被害を防ぐ法律として議員立法により制定された。女優として出演した女性を守る法律として施行された一方で

<1>AV撮影については、契約の書面交付から1カ月の撮影は禁止

<2>全ての撮影の終了から4カ月は公表を禁止、公表の前には出演者への事前確認の義務

<3>制作公表後1年間、出演者は無条件で契約解除が可能

などの規定が、制作の実情に合わない厳しい規制で、制作会社や制作者、女優の間から実情に合わないとの声が出ている。

AV新法には「施行後二年以内に施行状況等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする」などとした見直し規定がある。今年6月で施行から2年を迎えることを踏まえ、村西氏らは動いている。

範田は「引退から、14年。病院にも行ってないし契約書も書いていない。本当に自由だからこそ、いろいろ撮れたのも確か。別に嫌なことはなかった。自由な作品作りができた」と、自身が現役の際と、今の契約、撮影の違いを指摘した。その上で「女優さん、男優さんもAVがなくなったら困ると思うんですけど、私もお金がなくなったら50、60歳でも戻ろうと思っていますので、その時にAV現場って良いな、と思うような業界になっていて欲しい」と、村西監督をはじめ、AV新法の見直しを訴える、業界関係者への協力を訴えた。

範田は、メディアの囲み取材にも応じた。その中で「とうに引退している女優なのに、何で、いまさら…と思われるかも知れませんが、引退作で『やめたくない』と泣いているほど、好きな業界なので…お世話になっている人が困っているのを見て、何とか出来ないかなと思って駆けつけました…その思いだけです」と参加した理由を説明。涙したが「芝居です」と強気に言い放つと、関係者から「ありがとう」と感謝の声が上がった。