紅白歌合戦や人気クイズ番組の司会などで活躍した元NHKアナウンサーの鈴木健二さんが、3月29日に老衰のため亡くなっていたことが3日、分かった。同局が明らかにした。95歳。30日に通夜、31日に告別式が近親者のみで営まれた。最近は福岡県内で暮らしており、福岡市内の病院で息を引き取ったという。
出身は東京都で、兄は17年に亡くなった映画監督の鈴木清順さん。テレビ放送開始前年の52年にNHKに入局すると、若手時代は報道で活躍。その後、主婦向けの情報番組「こんにちは奥さん」での司会ぶりが評判となり、人気者に。81年から出演の「クイズ面白ゼミナール」では、司会として教授役を担って出演。生徒役のゲスト紹介を兼ねた「ウソ・ホントクイズ」、小学校の教科書から出題する「教科書クイズ」、鈴木さんの博識ぶりを生かした「歴史クイズ」などで人気番組となり、82年9月には最高視聴率42・2%を記録した。
「NHK紅白歌合戦」でも83年から3年連続で白組司会を務めた。84年の紅白では、引退する都はるみが大トリで「夫婦坂」を歌った後に会場からアンコール。鈴木さんが「私に1分間時間をください」と進み出て都を説得にかかり、「好きになった人」のイントロがかかるという名場面も生み出した。
テレビ放送開始後のNHKを支え続け、88年の定年退職後は熊本県立劇場の館長を務めたほか、青森県文化アドバイザーなどを歴任した。著書も多く執筆しており、「気くばりのすすめ」は文庫本含め400万部以上のベストセラーに。黎明(れいめい)期の放送界で大きな存在感を放った名アナウンサーが静かにこの世を去った。



