アルピニスト野口健氏(52)と、長女で登山家の野口絵子さん(21)が11日までにX(旧ツイッター)を更新。ネパールで起きたSNS規制への抗議デモに言及した。

父とともにネパールを訪れて登山中だった絵子さんは、今回のデモが起きた背景について「突然のSNSの制限で暴動が起きるのは、ある意味当然の帰結だと思います。ネパールでは多くの方がFacebookをはじめとするSNSを使っています。特に人口の約20%が海外就労などの理由で国外に住んでる為、海外に子どもや親戚がいる人も多く、SNSの存在は必要不可欠なものです」と説明。

「わずか数日でこれほど大規模な抗議、そして首相辞任にまで至るのは、かつてのネパール政治史でも異例の速さではないでしょうか。政府による情報遮断で社会をコントロールしようとする時代は、もう終わりに近いと思います」と私見を述べた。

続けて「シェルパの方と話していても、多くの方が以前から、政治の不透明さに不満を抱いています」と現地の人々の思いを伝え、そして続けた。

「今回の抗議は単なるSNS統制への反発ではなく、長年積み重なってきた政治への怒りの現れです。一時的なものではなく、今後の政治構造を揺るがす転換点になるのではないかと思います」と推測。

また、「今回の暴動は個人的にかなりの衝撃でした。普段のネパール人は温厚で、私自身、山や村で過ごしながらネパール人の優しさや穏やかな性格をみてきました。とても律儀な方も多く、日本人と似た誠実さを感じるほどです」と現地の人々の性質についても説明した。

その上で、「それだけに、今回の抗議の中で放火が相次ぎ、元首相夫人が命を落とすという痛ましい事件が起きたことは、私の知っているネパールとはまるで違う一面です。集団として怒りが溜まったときに、普段は平和で温厚な社会が一変してしまう。その両面性に直面したように感じています」と複雑な思いをつづった。

さらに「この規模の暴動はあくまで稀な出来事ですが、海外のニュースでは往々にして『ネパール=危険な国』というイメージだけが強調されるでしょう」と懸念。「私が普段見ているネパールは、人々が穏やかで助け合い、安心して暮らせる社会です。その実像が暴力的な映像やニュースだけで塗りつぶされてしまうことも大変残念です」とつづった。