氷川きよし(48)が11月19日に、約4年ぶりのアルバム「KINA.」を発表した。収録11曲(ボーナストラック除く)がすべてオリジナル作品で、氷川は「とにかく楽しいことがしたい。自由に、豪快に!いま、表現したいことを、この1枚につめこみました」とコメントしている。
その言葉通り、サウンドは演歌、ロック、バラード、ポップスとジャンルを超えて自由に歌う。しかも、それぞれにしっかりとしたメッセージを込めて、今の氷川の思い、姿勢が鮮明に打ち出されている。
リード曲(アルバムを代表する曲)の「BE THE LIGHT」(光になれの意味)は、「ありのままの自分を認めてくれますか」と歌う。
氷川は「周りとうまく付き合えなかったり、人知れず苦悩している人たちの光になるような作品になればという思いで、制作させていただきました。悲しみや苦しみを音楽にして、喜びに変える、光を放つ、そんな想いで出来上がった『BE THE LIGHT』なので、たくさんの方の希望になるような、背中を押せるような作品になるといいなと想っています」とコメントした。
リフレッシュのため23年から約1年8カ月、活動休止した。活動再開後は、小室哲哉、作詞家の松本隆氏、ロックバンドGLAYのTAKURO、木根尚登らとタッグを組んで来た。
「演歌界のプリンス」と異名を取った存在感を大きく転換したのか、と思いきや、26年1月28日発売の新曲は演歌「ほど酔い酒」(作詞・岸快生、作曲・水森英夫、編曲・石倉重信)である。演歌の新曲は22年の「甲州路」以来、約3年ぶりだ。
生きづらい世の中で小さなしくじりやつまずきを、寛容な心で受け止めていくというメッセージが込められた。「ゆるしましょう」というフレーズが印象的な作品である。
氷川は「やっぱり、何でも『ほどよい』のが一番ですよね。人間関係もそうですけど、ほどよい距離感って言うんですか。お酒もほどよく飲みたいなって思います。ザ・氷川演歌の世界を楽しんでいただきたいですし、演歌の良さをまた一つ知っていただけるのではないかなと想っています」とコメントしている。
年末には、第76回NHK紅白歌合戦に特別企画で出演。放送100年の年の締めに、放送の歴史を彩った先達の名曲をカバーする予定だ。
かつて氷川をインタビューした際、心に響いた言葉があると教えてくれた。喜劇王チャールズ・チャップリンの「人生はクローズアップで見ると悲劇だが、ロングショットで見ると喜劇だ」という言葉だ。
氷川は「僕もこういう仕事をしていると、苦しい時もうまくいかない時もあります。人から褒めていただく言葉もあれば、いろんな批判も受けます。そんな時、振り回されるのではなく、自分の中で確固たる考えを持っていたい。苦しい部分だけを見ればつらく悲しいですが、全部トータルで見たら笑顔でいられるような、そんな歌手人生を歩みたいと思っています」と話した。
チャップリンの金言も、氷川を支えている。【笹森文彦】



