中村勘九郎(44)中村七之助(42)らが出演する「猿若祭二月大歌舞伎」が1日、東京・歌舞伎座で初日を迎えた。

江戸歌舞伎の発祥、猿若座(後の中村座)にちなんだ冠を付けた興行が始まって今年で50年の節目。昼の部「弥栄芝居賑(いやさかえしばいのにぎわい) 猿若座芝居前」は、芝居小屋前で、役者が座元や小屋関係者、客に扮(ふん)して、興行の成功を願った。座元を演じる勘九郎は、いっぱいに埋まった劇場を見渡し「お客さまのおかげです。皆さま方がお力添えくださったおかげです。ありがとうございます」と何度も口にした。

片岡仁左衛門(81)は、猿若祭の興行を始めた勘九郎、七之助の祖父17代目中村勘三郎さんに触れ「17代目のおじさまが始められた猿若祭、今年で50年、うれしくてうかがいました」とし、18代目勘三郎さんについては「兄弟のように仲良くしていました」と懐かしがった。大病から復帰した舞台が猿若祭だったことを振り返り「一生忘れることができません」と話した。

さらに仁左衛門は、勘九郎に「私の目の黒いうちに19代目勘三郎を…」と言い、勘九郎が「それはまだ先のことでございます」と応じる場面もあり、観客は大きな拍手を送っていた。

本来であれば、中村鶴松(30)が初代舞鶴(まいづる)を襲名する興行だったが、飲食店でのトラブルのため謹慎、襲名も見送りとなったため、一部演出を変更して上演された。