女優大竹しのぶ(68)が、ミュージカル「GYPSY」(5月6~24日=東京・日本青年館ホール、6月に愛知、福岡、大阪で上演)に主演する。初演から3年ぶりの再演で、“究極のショービジネスマザー”という主人公ローズを演じる。役への思い、そして女優、母としての素顔に迫った。【小谷野俊哉】
3年ぶりに、名作のローズという役と向き合う。
「もう3年たっちゃったのかなっていう感じ。でも、再演できるっていうのは、すごくうれしいことですね」
一方で、再演ならではの期待値のハードルは上がる。
「前回は、一生懸命にできる限りをやったけれども、今度はもっとクオリティーの高いものを見せなくちゃいけない。前の方が良かったと言われないようにしなくちゃというのは、再演ならではですけど、難しい。前にやったことがあるからこそ、大変だなっていうのはあります」
ショービジネスの世界で、娘2人を売り込むパワフルな役柄だ。
「自分がスターになりたかった夢を、娘2人に押し付ける。なんか勝手な女だなって思います。でも人生ってそんなにうまくいかないし、夢があったとしても、いつか忘れてしまう。ちょっと切ない感じもする。華やかなショービジネスなのに売れない末端の世界。そこらへんが面白いですね」
自身も2人の子の母親。IT企業を経営する長男(41)とタレントIMALU(36)を、92年の明石家さんま(70)との離婚後は1人で育ててきた。
「自分の夢を押しつけるようなことはないですね。仕事を持っていたので、子供たちからしたら、もっと母親としてやってもらいたいという思いがあるんじゃないかと、必死になって育ててきました」
母としての苦労を外に見せることなく、女優として第一線を走り続けてきた。
「子育てとの両立という意味での苦労はあったけど、女優としての苦労はあまりない。大変だったけど、私の場合は母が一緒に暮らしてくれていた。母と一緒に子育てができたというのは、すごく大きいなと思います」と感謝の気持ちをにじませた。
舞台は生ものだが、映画、テレビから配信、SNSとメディアが大きく変わった。
「自分の意見をあまり言わない若者とか、人間があっさりしていますね。なんか凸凹した感じがなくなった。型破りな人間とか、めちゃくちゃな面白い人間がいなくなった」
それでも女優大竹しのぶは大きな情熱で、ローズ役に立ち向かう。
「音楽が本当にワクワクする。くたびれた人も不幸な人も、音楽を聞いて、心躍りに来てほしいなって思います」と笑顔を見せた。
◆ミュージカル「GYPSY」 ローズ(大竹)は2人の娘、ルイーズ(田村芽実)、ジューン(富田涼花)のステージママ。だが、才能のあるジューンが、駆け落ちしてしまう。ルイーズと再起を図るが、手違いでストリップ劇場の仕事を受けてしまう。



