エフフォーリア、ヴェラアズール、デアリングタクトなど、名だたるG1馬に出資してきたKAZFORIA氏が、出資馬を選択する上での着眼点を解説します。(毎週火曜日、木曜日更新予定)

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速く走るために必要な各パーツのバランスを見たら、最後に全体のバランスを見ることがとても重要である。見た目にも相当アンバランスな馬は、血統など他の点が良くてもまず活躍することがない。

ただ、どんな馬が全体的なバランスがいいのかと聞かれても、感覚的な判断なのでこれを言葉にして答えることはかなり難しい。

私は、募集馬のカタログを必ず保存し、募集後2、3年たって各馬のレース結果が出てから、G1を勝つなど活躍した馬の写真をクリアファイルに多数保存し、これを「宝石箱」と呼んで時間があれば見直すようにしている。こうして名馬の写真を数多く見ているうちに、バランスの良い馬とはどういう馬なのかが自然と見えてくると思うし、できれば長い目で続けてみて欲しい。

あくまで個人的な見解だが、宝石箱に多いバランスの良い馬のタイプは次の2つに分けることができる。

まず、四肢と胴がのびやかで馬体が雄大な感じがしていて、馬体重も以前当コラムで述べた通り【タイトル:細過ぎても太過ぎてもリスクがある 2月16日掲載】適度にある馬格の良い馬。例えばドゥラメンテ、リスグラシューやアーモンドアイなどで、これらの馬はクラシックディスタンスで活躍することが多い。

次に小柄に見えるが、体高と体長のバランスが良く、コンフォメーション【馬の外貌から判別することができる骨格構造、身体パーツの長さ、大きさ、形状やバランス】がカチッと決まっている感じのする馬。シンハライト、アエロリット、インディチャンプなどで、これらはマイルあたりの距離での活躍馬が多い。

逆に馬体がこぢんまりしていて仔馬感が強く、大型馬への対抗が難しそうな馬や、馬体重が重く見た目にも重々しい感じのする馬も、早く走れないことが多いので様子を見るようにしている。

お尻の高さがき甲【背中と首の境目の背中が1番盛り上がっている部分】よりも高い、いわゆる「トモ高」の馬は遅生まれに多く、成長と共にトモが下がってくることが多い。多少なら気にしないが、早生まれでトモ高の馬や、アンバランスを感じるほどのトモ高の馬は、経験上あまりお勧めできない。