今年の南関東クラシックは22年ぶりの無敗の3冠馬誕生に沸いたが、今日22日に3冠目の農林畜産食品部長官杯(韓国G2、ダート2000メートル)が行われる韓国では1冠目の勝ち馬が戦線離脱。混戦となった2冠目の韓国ダービーでグローバルヒット(牡3、パン・ドンソク)を勝利に導いたキム・ヘソン騎手(34)は韓国競馬史上初の女性ダービージョッキーとなった。

「今年の目標はもう1つ重賞を勝つことでした」。09年7月にデビュー。21日現在で韓国通算370勝を挙げ、同国の女性騎手最多勝記録を更新中だが、これまで重賞は産休前の17年に制した韓国オークスの1勝だけ。21年3月の復帰から2年3カ月、これ以上ない大舞台で夢をかなえた。

1冠目には出走せず、自己条件を圧勝したグローバルヒット。「直線の走りがとてもよくて、馬を下りてすぐに厩舎の人たちにダービーに行きましょうと言いました」。その直感が見事に当たった。初距離の1800メートル、初の1周競馬にも対応して3馬身差の完勝。これで6戦4勝の同馬には3回の騎乗で全勝と相性は抜群だ。2冠なるか。この騎乗をもって今秋の調教師試験まで休養するというキム・ヘソン騎手の手綱にも注目したい。【牛山基康】