<安田記念>◇2日=東京◇G1◇芝1600メートル◇3歳上◇出走18頭
世界は広いです。日本馬が日本の馬場で外国馬に負けることなど、もうないだろうとどこかで思っていました。香港馬ロマンチックウォリアーの完勝を見て、鼻を折られた気持ちです。これが世界の本物-。あらためて実感しました。
驚いたのは位置取りです。マイルも走ったことがあるとはいえ、近走は2000メートルを中心に使われていた馬です。それも香港はヨーロッパのように一団の競馬が多く、序盤から脚を使うことはほとんどありません。日本の芝マイルでは追走に苦労するかもしれないと思っていましたが、スタートからスッといい位置に取りつき、5~6番手でピタッと折り合いました。
直線は残り400メートルの標識までじっとして、開いたところをスッと抜け出し、最後はマクドナルド騎手が外の2頭を見ながら追う余裕もありました。やや重で勝ち時計が1分32秒3と、いくらか要したのはよかったですが、それでも上がり33秒4を使っています。強かったのひと言でしょう。
同馬のC・シャム調教師は、00年優勝馬フェアリーキングプローンの調教助手を務めていたそうです。その年、私の管理馬キングヘイローは3着で、上位2頭は外国馬でした。あれから二十数年、日本競馬は悔しい思いも糧に、世界の血を取り入れながら、レベルを上げました。日本の芝は硬い、といった理由で外国馬の参戦が減った昨今ですが、成功体験を持つシャム師のような方が、強い馬を連れてきて強い競馬を見せてくれると、悔しいですが、うれしい気持ちです。これでまた日本も強くなる、そんな思いを持ちました。
2着のナミュールは今回も若干遅れましたが、前走ほどではありませんでした。すぐ馬群に取りつき、道中で外へ出し、直線は上がり最速の脚で伸びました。さすがは武豊騎手。2度目の騎乗で手の内に入れ、100%の力を引き出したと思います。3着ソウルラッシュは直線半ばで加速した瞬間は勝ったと思いましたが、最後に甘くなりました。力は確かですが、G1を勝つには運も必要かもしれません。(JRA元調教師)







