当たり前のことだろうが、やはりプロだと痛感した。ソフトバンクの選手のことだ。

新型コロナウイルス感染拡大防止として、報道陣が直接取材することがなくなって約2カ月。取材どころが、自分の目で選手を見ていなかった。「取材」はすべてオンライン。パソコンに映し出された選手の顔、風景がすべてだった。あとは球団から提供された写真。限られたなかで出稿していた。

緊急事態宣言が解除され、取材活動の「緊急事態」も23日から一部解除された。限られた人数ながら、選手が練習しているペイペイドームに入ることが許された。日刊スポーツの順番は25日。個人的にペイペイドームに足を踏み入れるのは3月28日の取材以来となる。取材陣同士も顔を合わせるのが久しぶりだったこともあり、新鮮だった。ペイペイドームに入る時もどこか緊張感もあった。入館時にサーモグラフィーで体温を測り、限られた導線でしか動けない。時間、行動範囲も限られている。仕方ない。すべてはコロナ対策なのだ。担当記者としては「リハビリ」期間が必要だと感じた。

そんな私の「戸惑い」をあざ笑うかのように、ソフトバンク選手は「コロナなんてなかった」かのように元気だった。私が取材した日は、紅白戦再開の日だった。久しぶりの実戦だったこともある。野球をすることを許された野球少年のような気持ちだったのかもしれない。特に打者のバットスイングが、いつ開幕してもOKだといわんばかりだった。ベテランも若手もヒットを量産した。3月31日に活動休止して、4月9日からは自主練習。選手個々の管理が問われる日々が続いていたが、コンディションはまったく問題ないように思えた。常に自分を最高の状態にもっていくことに全力を注ぐ「常勝軍団」とは、このことをいうのだろう。

テレワークの日々が続き、こちらも「自己管理」が問われるが、少々「コロナ太り」状態となっている自分が恥ずかしかった。異例のシーズンとなる今季。今年も「強い」チームであることは間違いない。【ソフトバンク担当=浦田由紀夫】