創部56年目の秋田修英が春秋通じて初の県大会優勝を決めた。左腕エース西岡海斗(2年)が6安打1失点(自責0点)で4戦連続完投。打線は13安打で8点を挙げ、地区予選で敗れた横手に8-1で雪辱した。

9回表2死一塁、最終打者を中飛に打ち取った西岡は両手を広げてガッツポーズ。振り向きざまに山内啓輔捕手(2年)と抱き合い、仲間たちと喜びを爆発させた。チーム史を塗り替えた西岡は「最終回は0-0の初回の気持ちで投げた。目標を達成できてうれしい」と達成感をにじませた。

就任9年目の鈴木寿宝(ひとし)監督(55)にとっても秋田経法大付(現明桜)を率いてセンバツ出場につなげた99年秋以来19年ぶりの県大会制覇。東北大会出場は17年ぶりになる。秋田経法大付を春夏通算7度の甲子園に導いた鈴木監督は「長かった。素直にうれしい」と感慨深そうに振り返った。秋田修英監督就任1年目の秋には部員2人になる試練も経験した。現在は「トップダウンはできるだけしない。ヒントを与えて選手たちが自ら考えて自発的に取り組むように」と自主性を促している。

選手たちは経験を重ね、地区第7代表から唯一、1回戦から勝ち上がった。鈴木監督は「我慢強くなってきた」と手ごたえ。西岡は「自分たちの野球をしてセンバツに行きたい」と地元、秋田開催になる東北大会(10月12~17日)に闘志を燃やした。【佐々木雄高】