ワールド・オブ・スターダム選手権は王者・林下詩美(22)と朱里(32)が、30分戦っても決着がつかず、その後両者志願の延長戦(30分)に突入した。

その後2人ともリング上でダウンし、10カウントが数えられ、両者KO。林下が5度目の防衛成功となった。

44分を戦い、林下はしばらくの間、立ち上がることができなかった。試合後「最高に調子に乗っている」という刀羅ナツコから挑戦表明を受けたが「このベルと挑戦させてやってもいい」と答えるのがやっと。セコンドに抱えられ、バックステージではそのまま倒れ込んだ。「こんなんじゃ、世界の林下詩美は名乗れねえ」と納得がいかなかった。

内容にも満足できなかった。朱里の関節技に苦しみ、何度も追い込まれたが、本能だけで3カウントを回避した。驚異的な粘りを見せたとも言えるが「顔面ボコボコにされて、何度も打ち砕かれて、自分が何されたのかも覚えていない。無事防衛したけど、うれしさ半分。ふがいなさ半分」と語った。

昨年11月、団体を引っ張る岩谷麻優から赤いベルトを奪い、22歳で新女王に君臨した。その後、渡辺、舞華、上谷、プレストリーと強豪をはねのけ、トップの座を守ってきた。今回も形上は防衛となったが、朱里は倒せなかった。「世界」を名乗るためには、絶対的強さが必要となる。「今度こそ決着をつけなきゃいけない」と再戦を誓った。「赤いチャンピオンとしての意地で今、ここにベルトを持って立っていられる。まだまだ一緒に新しい時代を作っていきたい」。次はしっかり勝利して王者の地位を守る。【松熊洋介】