3団体統一ヘビー級王者オレクサンドル・ウシク(35=ウクライナ)が再戦を制し、初防衛に成功した。

昨年9月に判定で下した前3団体統一王者アンソニー・ジョシュア(32=英国)と再戦し、2-1(113-115、115-113、116-112)の判定勝利を収め、3本のベルトを守り抜いた。

ウシクは、2月から勃発したロシア軍の侵攻を受けてウクライナ軍のキーウ領土防衛隊に入隊。今回のダイレクトリマッチを控え、出国が認められて調整してきたこともあり「この勝利は、国のために、国を守っているすべての人々と軍隊のため。本当にありがとう」と感謝した。中盤にジョシュアのボディー攻撃を浴びたものの、試合開始から手数、技術、ステップで身長で7センチ上の前王者ジョシュアをほんろうした。「特に激しく倒そうとしたラウンドもあっただろうが、私はそれに耐え、別の方法で変えてみせた」と胸を張った。

次戦はWBC世界同級王者タイソン・フューリー(34=英国)との4団体統一戦の期待がかかる。フューリーは今年4月、WBC同級暫定王者ディリアン・ホワイトを6回TKOで下した後に現役引退を表明したが、今だにWBC王座を返上していない。

ウシクは「タイソン・フューリーはまだ引退していないと確信している。彼も私と戦いたいと思っているだろう。もしタイソン・フューリーと戦っていなければ(ヘビー級で)戦ったことにならない」と熱望した。

12年ロンドン五輪男子ヘビー級金メダリスト。17年ワールド・ボクシング・スーパーシリーズのクルーザー級を制覇し、4団体統一に成功した。ヘビー級転向後、3団体統一王座を獲得した。フューリー戦が決まれば、35歳のウシクにとっては集大成ともいえる4団体統一戦になるだろう。