日本相撲協会は25日午前、大阪市内で関脇朝乃山(26=高砂)の大関昇進をはかる臨時理事会を開き、全会一致で承認した。この後、同協会の出羽海理事(元前頭小城ノ花)と高砂一門に所属する審判部の千田川親方(元小結闘牙)が使者として大阪市内の高砂部屋に向かい、伝達式が行われた。使者から昇進決定を言い渡された朝乃山は「謹んでお受けいたします。大関の名に恥じぬよう、相撲を愛し、力士として正義を全うし、一生懸命努力します」と口上を述べた。

春場所千秋楽の22日、審判部(境川部長代理)の総意として八角理事長(元横綱北勝海)に、朝乃山の大関昇進を諮る臨時理事会の招集を要請。これを了承され、この日の臨時理事会の開催となった。

朝乃山は新三役として小結に昇進した昨年11月の九州場所で11勝、今年1月の初場所で10勝を挙げた。春場所は11勝4敗で、大関昇進の数字的な目安とされる3場所通算33勝に1勝足りなかったが、相撲内容と4場所連続2けた勝利の安定感などが評価された。

新大関誕生は19年夏場所の貴景勝(千賀ノ浦)以来、平成以降では27人目。今から約260年前、江戸時代の宝暦7年の雪見山から数えて通算250人目となった。平成生まれでは照ノ富士、高安、貴景勝に続いて4人目。富山県出身では、明治以降で1902年の梅ケ谷、1909年の太刀山(元横綱)以来、111年ぶり3人目の大関誕生となった。高砂部屋からは02年秋場所の朝青龍以来。学生相撲出身では8人目で、15年導入の三段目100枚目格付け出しでは初めての大関となった。また、3場所での三役通過は、昭和以降8位タイ、年6場所制となった58年以降2位タイの速さとなった。