大相撲春場所後に大関復帰を果たした照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、競泳女子で白血病から復帰し東京オリンピック(五輪)代表に内定した池江璃花子や、男子ゴルフでメジャー王者となった松山英樹から刺激を受けた。

19日、報道陣の電話取材に応じた。自身も糖尿病や内臓疾患に苦しんで番付を落とした経験があるだけに、池江について「すごいなと思いますよ。けがしているより病気の方が怖いこと。けがで死ぬことはないけど、病気で死ぬことはたくさんありますから。そういった意味で(自分も)病気の怖さというのは体で感じた。(池江は)相当な努力をしたんだなと思います」と感銘を受けていた。松山とは同学年。「同世代の方たちが頑張っているのは刺激になる」と話した。

アスリートのドキュメンタリー番組を通じて、自身の姿を重ねることもある。印象的なのは片腕の肘から先を切断しながら、アマチュア相撲で奮闘した選手のドキュメンタリー番組。「この体でも一生懸命相撲を取っているのを見ると、自分もという気持ちになる」。両膝のけがなどに苦しんで車いす生活を送っていた時期も、同番組を思い出したこともあったという。

21場所ぶりの大関復帰場所となる夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)に向けて、この日は都内の部屋で関取衆を相手に15番相撲を取って調整した。春場所終盤に痛めた右膝については「大丈夫」と回復を強調。2場所連続優勝を目指す夏場所へ「堅苦しいことを考えず、できることを精いっぱいやろうと考えてます」と意気込んだ。