結びの一番は、単独トップの横綱照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、大関貴景勝(25=常盤山)を左からの上手投げで仕留め12勝目(2敗)。平幕の妙義龍(34=境川)に1差をつけたまま千秋楽を迎えることになった。

報道陣の電話取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は貴景勝に二本差されながら、左上手を引いて勝負を決めた照ノ富士の冷静さを「上手を取ってからも慌てなかった。成長しているということですね。強引に出て行かなかった」と、一呼吸置いて攻めた新横綱の落ち着きぶりを認めた。上手を取りに行った場面については「強引すぎたけどね」としながら「取った後、強引に出なかった」と分析した。取組前に「照ノ富士は、まわしを取れなくても慌てないことだ」と話していた通りの相撲を照ノ富士は取って単独トップの座を守った。1差で追う妙義龍との優勝争いには「2人とも、よくやっている」と健闘ぶりを評価していた。