幕内最小兵の勢いが止まらない。西前頭5枚目の翠富士(26=伊勢ケ浜)が、体重差72キロの碧山を寄り切って8連勝、初のストレート勝ち越しを決めた。

取組後、NHKのインタビュー室ではニコニコ笑顔で受け答えした。それを指摘されると「ちょっと恥ずかしいですね」とほほ笑み、「やっぱうれしいですね」。柔らかい表情の裏に勝ち続けているプレッシャーは忍び寄っている。「(連勝は)意識していないつもりだけど、寝てもすぐに起きてしまう。心の中で緊張しているかもしれません」と言った。

171センチ、117キロ。小さい力士の意地がある。「体が小さいから中学、高校で(相撲を)辞めてしまう人もいると聞く。小さくても勝てるところを見せたいと思う」。

9日目は業師宇良との対戦が組まれた。「イヤなところですね。頑張りたいと思います」。夢の賜杯を現実に引き寄せる戦いは、後半戦に突入する。