元宝塚歌劇団月組トップ瀬戸内美八(79)が14日、大阪市内で朗読歌劇「心中・恋の大和路」(6月24~28日=草月ホール、7月2~3日=兵庫県立芸術文化センター)の取材会に出席した。

近松門左衛門「冥途の飛脚」を題材にした同作は1979年に兵庫・宝塚バウホールで瀬戸内主演で初演。82年に再演された後も多くの組で再演が重ねられ、最近では22年に元雪組スター和希そら主演で演じられている。

今回、Umegei朗読シリーズ化第2弾として、朗読歌劇として上演。忠兵衛を瀬戸内、梅川を南風舞が演じるバージョンと、14年の雪組公演で主演を務めた壮一帆と愛加あゆのトップコンビが演じるバージョンが日替わりで上演される。

徳島在住の瀬戸内は「バスが遅れちゃって」とはぁはぁ言いながら登場したが、現在もダンススタジオを主宰しており「ストレッチを80回やってるの」と、立ち姿は78歳と思えないほど美しい。

同作は退団後も含め、4回を演じてきた。「自分の分身になったような忠兵衛さんですけど、これだけ年を重ねて、またこの役をやらせていただけるのはうれしい」と笑顔を見せた。

初演時は歌舞伎を見たことがなく、日本ものも得意ではなかったため、脚本・演出を手がけた菅沼潤氏に「冗談じゃない」と泣きついたという。そもそも、宝塚を見たことがないまま音楽学校に合格してしまったこともあって「ダンス、バレエ、歌はもちろん、日舞も補習組だった。劣等感がすごくあって、日本ものはできないと思ってましたが、花組に配属されてトップの甲にしきさんが日本ものが得意だった。新人公演をたくさんやらせていただいて、日本ものってこういうふうにするんだなって会得できました」と懐かしんだ。

22年の雪組公演も観劇。「もうできないけど本編をやりたい」とはいうものの、今回は演劇ではなく初の朗読劇。「まだお稽古も始まっていないので、皆目分からない」と素直な思いを口にしつつ、「朗読劇というと、座って本を読んでっていうのがあるけど、先生は『立ったり座ったり、いろんなことをしようね』と言ってくださっている。演劇は見るものだけど、朗読は耳から入ってくる。耳から聞いたお客さまが、リアルに見る演劇よりももっと大きな空想をしながら見ていただけたらいいな。分からないけどワクワクしてます」と語った。

今作では南風、壮、愛加のほかにも、日向薫、未沙のえるらOGが多数出演する。「若い人はお会いしたこともないのでほとんど知らない。そういう意味では怖いです。ジェネレーションギャップが30以上あるけど、目的はひとつだから力を合わせてやっていきたい」と意気込んでいた。