リオデジャネイロ・パラリンピック女子57キロ級銅メダルの広瀬順子(26)がW杯ウズベキスタン大会(10月5~15日)の代表権を獲得し、20年東京パラリンピックでの現役引退を示唆した。

 女子57キロ級は広瀬のみの出場。不戦勝により代表権を獲得した。試合後、男子90キロ級代表に選出された夫の悠(はるか、37=ともに伊藤忠丸紅鉄鋼)と取材に応じ、広瀬は「20年(東京大会)に私も悠さんと(柔道を)やめるつもりです。それまでの3年間は2人で協力しながら頑張って、それ以降は柔道以外のことを楽しみたいです」と話した。

 そもそも、女子の選手層は薄く、全国大会に出場するのは十数人程度。広瀬はW杯がリオ大会後の初の実戦となる。「試合は緊張して苦手ですが、(この現状は)うれしいような悲しいような…。国内で試合がないので調整が難しいです」と本音を漏らした。

 15年12月に悠と結婚。愛媛県松山市を拠点として、悠がコーチ役で練習も夫婦二人三脚で行っている。リオ大会までは広瀬に合わせての稽古だったが、悠がリオ大会でメダルを獲得できなかったことで、現在は「僕のメニューに順子さんがついてきている」と言う。組み手強化のための上半身トレーニングなどの時間や回数も以前の倍で、広瀬もパワーアップを実感している。

 リオ大会ではメダル獲得の有無で“夫婦格差”が生じた。広瀬は「20年はともに笑顔で終わりたい」と、夫婦での金メダルを願った。