ホーム 東京オリンピック2020 野球・ソフトボール ニュース RSS ソフトボール山田恵里「絶対に勝ちを決めてやる」延長8回の熱戦に終止符 [2021年7月25日20時49分] 通知ON 通知OFF 日刊スポーツをGoogleでお気に入りに追加 日本―カナダ タイブレークの延長8回、山田が中前にサヨナラ打を放つ(共同) <東京オリンピック(五輪):ソフトボール・日本1-0カナダ>◇25日◇1次リーグ◇横浜スタジアム 日本はカナダに延長8回、タイブレークの末に1-0でサヨナラ勝ちして4連勝とし、米国とともに銀メダル以内が確定して27日の決勝に進んだ。7回まで両国無得点で決着付かず、無死二塁から始まるタイブレークに突入。8回裏1死満塁の場面で、山田恵里外野手(37=デンソー)がサヨナラの中前打を放った。26日の1次リーグ最終戦、翌日の決勝と宿敵・米国と続けて戦うことになった。 ◇ ◇ ◇“伝説の目撃者”が、延長8回の熱戦に終止符を打った。一死満塁。前の2人が申告敬遠され、山田が左打席に入った。「絶対に勝ちを決めてやる」。気持ちでバットを合わせた打球は、センターへと転がった。主将は「怖くて、つらくて仕方なかった。ずっと迷惑ばかりかけてきた。やっとチームの一員になれた」と実感を込めた。22日のメキシコ戦の守備では落球で同点を許し、前日は途中交代。勝てば銀以上が確定し、逆に負ければ危機にひんする一戦では、見事にヒロインとなった。98年8月20日の全国高校野球準々決勝、横浜-PL学園。あの延長17回の死闘を、中3だった少女はレフトスタンドから見つめていた。松坂の投球、試合が決まった右中間への2ラン。そこで目にしたプレー、肌で感じた歓声の数々は今も記憶に刻まれる。女子は甲子園でプレーできないと知り、高校からソフトボールに転向を決めていたが、「そんなに人の心を動かすってすごいな。自分もそういう場に立ちたい」と思った。「そういう経験も今にすごくつながっている」。そして神奈川・厚木商では全国制覇を2度達成し、実業団入りした。日本リーグで積み上げた通算433安打、46本塁打などは歴代最多。バットで幾多の記録を塗り替え「女イチロー」とも呼ばれるようになった。あの夏から23年後。平成の怪物が高校時代に何度も投げた横浜スタジアム。歓声なき試合だったが、日本を湧かせる殊勲打を放った。前日7月24日は元競輪選手の父良彦さんの命日だった。7年前、60歳で急逝だった。1日遅れで、勝負の世界に生きた天国の父を安心させ、「今日は打つことができてよかった」。まだ戦いは続く。未来の子供たちへ脈々と受け継がれ、糧となる夏のドラマを完結させる。【上田悠太】