アジア・サッカー連盟(AFC)は1日、アジアから最大9チームが出られる26年W杯の予選方式を発表した。

米国、カナダ、メキシコと史上初の3カ国共催となる次回のW杯は、出場枠が現行の32から48へ大幅に拡大する。アジアの出場枠も4・5から倍増し、1次予選は23年10月にスタートする予定。多くのアジアの国と地域にW杯初出場のチャンスが生まれることになる。

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次回26年大会で初出場から8大会連続の出場を目指す日本にとって、一番の変更点は3次予選、いわゆる最終予選に参加するチーム数の増加だ。従来は12チームが2組に分かれて争ったが、新方式は18チームが3組に分かれて戦い、各組上位2チームが本大会の出場権を得ることになる。予選突破のハードルは一気に下がり、今回のカタール大会最終予選のような緊迫感、盛り上がりは見込めなくなりそうだ。

(1)1次予選 AFCに加盟する47カ国・地域のうち、ランキング下位22チームがホームアンドアウェー方式で対戦。勝者11チームが次の2次予選に進む。

(2)2次予選 日本が含まれるランキング上位25位チームを加えた計36チームが4チームずつ9組に分かれてホームアンドアウェー方式の総当たり戦を行う。各組2位までが3次予選進出。

(3)3次予選 いわゆる最終予選。18チームが6チームずつ3組に分かれてホームアンドアウェー方式の総当たり戦を行い、各組上位2チームの計6チームが本大会の出場権を得る。

(4)アジア・プレーオフ(PO) 3次予選の各組3、4位がプレーオフに進み、残り2つの本大会出場枠と大陸間プレーオフに回る1枠を争う。

W杯の門戸がアジアやアフリカなどに大きく開かれることで、世界最高峰の大会のレベル低下も懸念される。世界的な競技普及という大義名分に加え、そこには巨大ビジネスの側面が強い。中国やインドなどの経済力を取り込みたいFIFAの思惑も見え隠れする。

アジアではベトナムやタイなど東南アジアのチームの躍進が著しいが、出場枠が24から32に増えた98年フランス大会で日本もその恩恵を受けて初出場を果たした。「W杯の価値を下げる」という意見もあるかもしれないが、W杯初出場を目指すアジアの「新興国」にとっては、W杯が世界最高峰の舞台であることに変わりはない。