明大からジェフユナイテッド千葉に加入した新人DF鳥海晃司(22)が、水戸ホーリーホックとのホーム開幕戦で先発フル出場し、無失点であこがれのフクダ電子アリーナでのデビューを飾った。

 2月25日の東京ヴェルディとの開幕戦で、前半9分にDF増嶋竜也(32)が1発レッドで退場したことを受け、同12分に司令塔のMF町田也真人に代わってピッチに立ち、開幕戦でJリーグデビューしたが、後半3分に先制を許し、同36分には両足がつってピッチに倒れ込んだ。プレーを続行も、同41分にチームが同点に追いつきながら守りきれず、45分にセットプレーから決勝弾を許して敗れた。

 この日は出場停止の増嶋とDF近藤直也主将(34)に代わり、ピアスト・グリヴィツェ(ポーランド)から新加入し、この日がJリーグデビュー戦のブラジル人DFエベルト(26)とコンビを組んだ。言葉は通じないが、ジェスチャーを交えて意思疎通しDFラインをコントロールした。終盤は水戸の逆襲に遭ったが、東京V戦のように足がつることもなく、ロスタイムも含めた97分間、ゴール前で体を張り続けた。

 小学生時代から千葉のスクールに通い、下部組織から明大を経て古巣でプロになった鳥海にとって、フクアリのピッチにプロとして立ってプレーすることが夢だった。「あの2人(近藤と増嶋)は僕の中で特別な、本当にすごい先輩。(代わりに先発する以上)責任を持って戦わなければいけないと思い、そう戦うことが出来た。でもプレーしているのが不思議な感じ…憧れていた舞台なので素直にうれしかったです」と笑みを浮かべた。

 喜びを口にする一方で、自らのプレーへの採点は辛口だった。「準備が出来ていた一方で、疲れてきてからのプレーの質が落ちたのは自分でも分かっている。前半のプレーの質を継続しないと。それに、攻撃でも決定的なチャンスを外した。フクアリでサポーターに勝利をプレゼントしたい」と満足することなく、11日のFC岐阜とのホーム戦を見据えた。【村上幸将】