東京Vがホームで鳥栖を2-0と下し、J1で21年ぶりの4連勝を飾った。

前半19分にパリ五輪代表MF山田楓喜(23)が直接FKから得点すると、後半36分にはMF翁長聖(29)が頭で追加点を奪った。2003年シーズンの第1ステージ第9~12節以来となる4連勝で前節から6位をキープ。5位G大阪との勝ち点差も2に迫った。

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背番号18、山田楓の左足が1万8992人で埋まったホームに歓喜をもたらした。前半19分、ゴールまで20メートルという絶好のFK。柔らかく正確なボールを右隅へと蹴り込んだ。今季5点目、うち3点がFK。「スピードはいらない。壁を越えたら入る。自信があった」。「十八番」の飛び道具で貴重な先制点を奪った。

見逃せないのはこのFKを奪った一連のプレー。鳥栖のスローインからボール奪取のDF宮原から始まる。FW木村へつなぎ、ゴールへ仕掛けたところで倒された。攻守一体となった「走るヴェルディ」の躍動感がもたらした得点だった。

J1の1試合平均走行距離は鳥栖が119キロでトップで、2位が東京Vと町田の116キロ。城福監督が言う。「走力の質と量でJリーグの中のトップオブトップにならないといけない」。予算規模が限られたクラブだけに、試合に直結するリアリティーある練習でチームを鍛え上げる。

名将たるゆえんは、その言語化のうまさ。これは追いつかないというボールに選手の足が止まると、こう叱責(しっせき)する。「足音を聞かせろ」。足音で相手のミスが出るかもしれない。つまり労を惜しまない。その浸透度があっての現在の6位という順位だ。

開幕前は「20番目のチーム」と呼ばれたが、5位G大阪の背中も見えた。指揮官は「やり続ければこういうふうになっていくという確信が少し芽生えた」。ベースにこだわる、妥協しない。とかくFKがクローズアップされる山田楓がこう言う。「僕の一番の武器は2度追い、3度追いできること」。走るヴェルディはどこまで駆け上がるのか。優勝争いとは別の興味がそこにある。【佐藤隆志】

【J1】名古屋-川崎F、東京V-鳥栖、新潟-神戸、広島-横浜ほか/スコア速報