フィギュアスケートの世界国別対抗戦(4月11日開幕、マリンメッセ福岡)の日本代表が25日、東京都内で発表され、2大会連続出場中の羽生結弦(24=ANA)が欠場することが決まった。

昨年11月のグランプリ(GP)シリーズロシア杯で右足首を負傷し、4カ月ぶりの実戦復帰となった世界選手権では銀メダルを獲得。迫真の演技を披露していたが、右足首は完治せず、治療を最優先することになった。男子は宇野昌磨(21=トヨタ自動車)、女子は紀平梨花(16=関大KFSC)らが出場する。

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会見で次々に出場者の名前が呼ばれる中、羽生の名前は最後まで出なかった。日本スケート連盟の伊東秀仁フィギュア委員長は、計8選手の名前を読み上げた後、「なお羽生選手はけがのため、欠場させていただきます」と結んだ。

会見終了後には羽生のコメントを代読した。「ロシアで痛めた右足は完治していませんが、世界選手権に向けて頑張ってきました。しかし今、さらに右足に負担をかけることは厳しく、医師からも引き続きの加療が必要と言われました。国別対抗戦に出場できないことは残念ですが、1日も早くケガを完治させ、来シーズンに向けて練習に励みます」。今季最終戦の欠場を決断した。

右足首を昨年11月のロシア杯で負傷すると、氷上での練習を再開したのは年明けの1月中旬からだった。世界選手権終了後には、今でも痛み止めの薬が欠かせなかったこと、17年NHK杯で同じ箇所を負傷して臨んだ18年平昌五輪の時よりも状態が悪いことを明かしていた。今後の治療に関しては「手術してどうなる問題でもない。いろいろ相談している」などと完治へ模索している様子だった。

来シーズン以降に向けて、全6種類の4回転ジャンプ取得を宣言。その練習方法について「僕の場合は失敗するリスクよりもケガするリスクを大きく考えないといけない。足首の耐久性、寿命を加味した上でリスクを負いながら練習しないといけない」と慎重な姿勢を見せていた。王者奪還へ、まずは右足首の回復を優先する。