女子柔道のオリンピック(五輪)メダリスト・松本薫さん(33)がこのほど、浜松市勤労会館Uホールで行われた「トップアスリート講演&トークショー」に出演した。

このイベントは、浜松市のオリンピック・パラリンピックムーブメント事業の一環で行われた。松本さんは、12年ロンドン大会の金メダル、16年リオデジャネイロ大会の銅メダルを会場に集まった140人に披露。続けて、世界一に輝いたロンドン五輪を振り返り「金メダルを取った時に、初めてうれし泣きをした。その時に『私も人間なんだ』と思った」と笑わせた。

現役時代、闘志むき出しのスタイルから「野獣」の異名を取った松本さんは、この野獣についても解説。「戦う自分を作るため。後は、世界の天才たちにはどれだけ努力しても勝てない時がある。その天才たちが少しでも『怖い』と力みが生じるだけで、私が有利になって勝てる確率が上がる。そのために野獣になった」と誕生の経緯を明かし、お手本を見せながら“変身”の仕方も伝授した。

松本さんから「小野獣」と絶賛された浜松市立追分小の太田然(ぜん)くん(6年)は、ラグビーチームに所属。「相手にプレッシャーをかけることが大事だとわかった。とても良い経験になった」と笑顔を見せた。【前田和哉】