高校ボクシング・ウエルター級で今季全国3冠(全国選抜、インターハイ、国体)を獲得し、高校通算5度の全国制覇を達成した川村萌斗(開志学園3年)が来春、東農大に進学する。来年は全日本選手権優勝をターゲットに実力を磨き、28年ロサンゼルス五輪出場への足がかりにする。

高校の絶対王者、川村がステップアップする。「スタートラインに立てた」。進学先に選んだ東農大は、開志学園の仁多見史隆監督(48)の母校。興農館高3年時に全国3冠を獲得し、96年アトランタ五輪に出場した恩師の後輩になり、たどり着く先も同じ五輪のリングに定めた。

同大は部員の大麻取締法違反の疑いで部としての活動は無期限停止中だが、個人の試合出場は許可されている。「まず来年の全日本選手権で優勝を目指す」。仁多見監督は大学2年から4年まで3連覇。来年優勝すれば恩師を抜く4連覇に挑戦できる。その先に見据えるのは、大卒1年目に当たる28年開催のロサンゼルス五輪。「全日本を取って日本代表として国際大会を経験し、つながっていけば」。歩む道は明確だ。

開志学園では17年のミドル級近藤陸(24、自衛隊=引退)以来2人目、県勢では通算5人目の高校全国3冠王になった。1年時の全国選抜、2年時の国体を合わせて通算全国5冠獲得は県勢史上最多。仁多見監督は「伸びしろは未知数。どこまで行くのか楽しみ」と絶賛する。フットワークを使って間合いを作り的確にヒットさせるうまさと、1発で仕留める強烈な左ストレートが武器。五輪での適正階級は71キロ級になるため、大学では現在のウエルター級からライトミドル級に上げる予定。「体の芯が弱いので鍛えないと」と、自宅でスクワットをするなど下半身強化を始めた。

高校3年間を「充実していた。濃い内容だった」と振り返る。一方で「まだ実力不足」。10月、初の日本代表入りを果たしアジアユースに出場。初戦を突破したが、準々決勝でカザフスタンの選手に0-5の判定負け。昨夏のインターハイ準々決勝以来の黒星に世界の壁を痛感させられた。「高校でタイトルを取ったことはもう考えない」。栄光は過去のもの。今以上の自分を目指し新天地に向かう。【斎藤慎一郎】

◆川村萌斗(かわむら・もえと)2005年(平17)6月5日生まれ、村上市出身。ボクシングは5歳から村上ボクシングジムで始める。村上東中ではバスケットボール部に所属しながらボクシングに取り組む。中3のときに全日本UJ県大会で優勝。開志学園に進み、高校では22年全国選抜、国体、23年の全国選抜、インターハイ、国体の通算5度優勝。178センチ。タイプは左のボクサーファイター。