東京オリンピック(五輪)に出場する陸上の日本選手団の結団式が15日、オンラインで行われた。

女子100メートル障害代表の寺田明日香(31=ジャパンクリエイト)は決意を表明した。

「2013年9月。東京五輪が決まってから多くの選手が出場を目指してきました。しかし、昨年、状況は一変しました。練習環境だけでなく、日々の暮らしまでも変えざるを得ませんでした。スポーツの価値とは、アスリートの存在意義とは。自問自答をする日々が続きました」。

また支えてくれる人への感謝を述べ、思いを言葉にした。

「一児の母である私は、多くの子供たちに頑張ることの尊さや、スポーツを通じて人生を豊かにできるということを伝え続けたいと思いました。前回の東京大会では円谷幸吉さん、依田郁子さんをはじめ、現在でも語り継がれるような活躍がありました。今大会は無観客開催になってしまいましたが、メディアを通じて多くの方に応援していただいていることを胸に、未来へつながるようなパフォーマンスをしたいと強く思っております」。

トラック、フィールド種目は国立競技場、マラソン、競歩は札幌での開催となる。開催場所は異なるが、「陸上競技、日本代表選手団はワンチームです。背中を押してくださる方の思いとともに、全員が全力で戦い抜いていきましょう」と締めくくった。

式後には「素直な気持ちを話したいと思った。難しい状況でも、いろんな人のお力添えをいただき、今、この場にいる。偉大な先輩を超えて、未来につなげていくのも私たちの役目」と話した。自身にとっても、00年のシドニー五輪女子マラソンで高橋尚子さんが金メダルを獲得した時の事は強く印象に残っている。当時、10歳だった少女は母となり、1度は引退も経て、初の五輪にたどり着いた。「金メダルを取られて、日本代表ジャージのレプリカに母に頼んだ。子供たち、スポーツを頑張っている子に、スポーツって価値があると感じてもらいたい」と口にした。